適正なスモールサイズ

スケール・ビジネスか、スモール・ビジネスか。
経営者はこの先どちらかに選択を迫られるだろう。
中途半端なサイズ、中途半端な戦略では、
もう生き残ってはいけないのである。

スケール・ビジネスを選ぶなら、
やるべきことはシンプルだ。
とにかく拡大、とにかく効率化、
目指すゴールはひとつだけ。
規模と生産性で何がなんでも一番になること。

これに比べてスモール・ビジネスはかなり複雑である。
まず小さければいいというものではない。
大きくし過ぎず、小さ過ぎもせず、
適正サイズを維持していく必要がある。

では適正サイズとは何か。
ひと言で言うなら、
一人当たりの生産性が最大化するサイズ。
こう書くとシンプルに見えるが、
その答えは何パターンも考えられるのである。

まず一人当たりの生産性は時間と共に変化する。
同じことを繰り返しているだけでは
生産性を維持することは出来ないのだ。
やり方を工夫し、商品やサービスの質を高め、
より高い生産性(単価)を目指していく。

しかし単価アップは必ずどこかで限界が来る。
限界が来てもスキルと質の向上は続けなくてはならない。
ここからは質を高めながら
単価を維持するフェーズに入っていくのだ。
では維持する単価は高ければ高いほどいいのか。

いや、そうとは限らない。
どこに設定すれば顧客との
需給バランスがベストになるのか。
ここを見極めなくてはならない。

顧客が喜んで買ってくれる質と価格。
こちらが喜んでスキルアップしたくなる質と価格。
どこでそのバランスが取れるのか。
それは売る側と買う側の感覚次第なのである。

さらに一人当たりの生産性は
最大化する場所がひとつではない。
3人でやった時と、8人でやった時と、20人でやった
時と、一人当たりの生産性が同じだったとする。
この場合どの規模で拡大を止めるべきなのだろうか。

同じ地域、同じ業種、同じ商品カテゴリーであっても、
取り組む人数によって商品価値は変化する。
3人の美容室と20人の美容室。
5人のサイト構築会社と20人のサイト構築会社。
それは全くの別物なのである。

20人なら提供できるが5人では提供できない商品。
その逆もある。
3人ならできるが20人ではできないサービス。
数字という指標では答えが出せない。
では何で決めるのか。

どちらが快適なのか。
どちらが気持ちいいのか。
もはや感覚でしか決められない。
数字ではなく感覚が示す答え。
スモール・ビジネスを極めるには
感覚を磨く以外に方法がないのである。

 

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