「好きと得意の関係」|センパイ先生と対談シリーズ

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上谷 実礼(うえたに みれい)
・平成12年(2000年)3月千葉大学医学部医学科卒業
・千葉大学医学部附属病院などで臨床研修
・平成16年4月千葉大学大学院医学研究院助手(環境労働衛生学)
・平成19年4月千葉大学大学院医学研究院助教(環境労働衛生学)
・平成22年労働衛生コンサルタント(保健衛生)試験合格
・平成22年5月千葉大学大学院医学研究院講師(環境労働衛生学)
・平成23年4月ヒューマンハピネス株式会社設立 代表取締役就任
・令和3年 公認心理師 試験合格

好きと得意の関係

安田
安田

自分が本来望むことを仕事にできて、ちゃんと暮らしていければ、みんなもっと健康になるんですか?

上谷
上谷

なると思います。

安田
安田

そのためには、まず「自分が何をやりたいか」って声が聞こえないとダメですよね。

上谷
上谷

はい。そこがすべての始まりだと思います。

安田
安田

じつは以前、60歳で定年になった方が相談に来られたことがあって。

上谷
上谷

はい。

安田
安田

「65歳まで延長できるけど、ずっと社員をやってきたんで、思い切って辞めます。これから好きなことをやって生きていこうと思います」って言うんですよ。

上谷
上谷

素晴らしいじゃないですか。

安田
安田

私も「素晴らしいですねえ」って言ったんです。だけどその人「私はいったい何をやりたいんでしょう?」って聞いてくるんですよ。

上谷
上谷

そういうことはよくあります(笑)

安田
安田

「えーっ!?」って感じでしたけど。じゃあ、その人が特殊なわけじゃなく、みんなそうなんですね。

上谷
上谷

よくあります。

安田
安田

私はそういう人に会う機会がないので、すごくびっくりしたんです。これって普通のことなんですね。

上谷
上谷

みんな自分の好きなことがわからないから、とりあえずお給料をもらえているし、安定するように見えるから、頑張って働き続けるんです。

安田
安田

自分の好きなことが分からないものですか。

上谷
上谷

好きなことが明確にわかるってすごいことなんですよ。

安田
安田

へぇ~。

上谷
上谷

その時点で人生すごく自分らしく生きられているということ。みんなそれがわからないから、「なんかモヤモヤするけど我慢する」って方向に行くんです。

安田
安田

なるほど。

上谷
上谷

本当に好きなことって、ネイティブな感情を抑えていると絶対に見えないんです。

安田
安田

ネイティブな感情?

上谷
上谷

悲しみとか怒りとか。それをちゃんと見ていく。感じられるようになっていく。そのあとなんです。「ワクワク」とか「生き生き」とか「おもしろい」とかが出てくるのは。

安田
安田

なるほど。そういう順番なんですね。じつは私も最近発見した理論がありまして。

上谷
上谷

何ですか?

安田
安田

「好きと得意の関係」という理論なんですけど。「好き」と「得意」を一致させるには、好きなことを得意になるか、得意なことを好きになるしかなくて。

上谷
上谷

そうですね。

安田
安田

たとえばサッカー好きな人がプロになるって、難しいじゃないですか。

上谷
上谷

難しそう。

安田
安田

となると「得意」を好きになるしかなくて。天才と呼ばれる人は好きなことが得意なんじゃなくて、得意なことを大好きになれる人ではないかと。

上谷
上谷

なるほど。好きになれるところがすごいんですね。

安田
安田

そうなんです。問題は天才ではない人が、どうやって得意を好きになればいいか。

上谷
上谷

どうするんですか。

安田
安田

無理やり好きになるって難しいので、嫌いなことを減らしていけば自然に好きになるんじゃないかと。そう思い立ったわけです。

上谷
上谷

私もそう思います。「まず嫌なことをやめる」というほうが先。

安田
安田

おお!私の理論は合っていたんですね。

上谷
上谷

はい(笑)合ってると思います。

 

 > 第9回「 人はいきなりプラスになれない 」へ続く

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