【高橋健三】第1話「ラーメン屋だって4Pだ!」|センパイ先生と対談シリーズ

センパイ先生 経歴

プロフィール・メッセージはこちら

高橋 健三(たかはし けんぞう)
・1960年 大阪生まれ
・1982年 大学卒業後、大阪市内の印刷会社へ就職
・1985年 船場の広告代理店へ転職
・1991年 友人と共に企画会社キッズ・コーポレーション設立し取締役に就任
NTT、松下電器(現パナソニック)、コカ・コーラなど大手企業を数多く開拓し、取締役就任12年間で売上高10億円を達成
・2003年 スマイルマーケティング設立し代表取締役に就任

ラーメン屋だって4Pだ!

安田
安田

高橋さんって何者なんですか?

高橋
高橋
肩書きは「なにわのマーケティングコーチ」です。
安田
安田

マーケティングのコーチ業?

高橋
高橋

そうなんです。けど、もっとキャッチーな肩書きが欲しくて、最近は「ビジネス妄想家」と名乗ってます。

安田
安田

分かりにくくなった気が(笑)職業的にはコーチ業なんですか。

高橋
高橋

コーチの資格を持っているわけではないんです。ただ「コンサルタント」と名乗るのにちょっと抵抗がありまして。

安田
安田

わかります。私もコンサルタントという肩書きは好きじゃないです。

高橋
高橋
キャッチフレーズは「マーケティングを楽しく学んで、自分らしく使う」です。
安田
安田

そっちの方がいいですよ!すごく分かりやすいし。

高橋
高橋
マーケティングには理論と発想、つまり左脳と右脳が必要なんです。だけどテニスやゴルフを始めるときと同じで独学ではなかなかスキルがつかない。
安田
安田

それを教える仕事ってことですね。

高橋
高橋
コーチがそばにいたほうが「マーケティングも実践に近づきますよね」というイメージです。
安田
安田

「なにわ」が付いてるってことは関西人ですか。

高橋
高橋
そうです。昔は大阪弁ってあまり好かれなかったんですよ。「東京へ来て大阪弁はないだろ」って。
安田
安田

昔はそうでしたよね。

高橋
高橋

最近は逆にそれをバリューとして評価してくれる人も増えて来ました。結局どこに行っても標準語はしゃべれないし、大阪弁しかしゃべられへんので。

安田
安田

もう肩書として名乗ってしまえと。

高橋
高橋
そんな感じです(笑)
安田
安田

「ビジネス妄想家」というのはどういう仕事なんですか。

高橋
高橋
「数々の妄想を形にする仕事」と説明してます。
安田
安田

「これは面白そう」というビジネスアイデアを儲かる形にするとか?

高橋
高橋
私の場合はゼロイチに特化しています。1を10にするのは苦手でして。
安田
安田

私も大きくするのは苦手です(笑)

高橋
高橋
自分を実験台として商品開発をやったり、店舗開発をしたり、サービス事業を興したりしてます。
安田
安田

その商品や事業が売れ始めたらどうするんですか。

高橋
高橋
事業として継続したり拡大するのは苦手なので、誰かに引き継ぐか辞めちゃうか。
安田
安田

ビジネスの種まきをしてるわけですね。

高橋
高橋
そうです。
安田
安田

「マーケティング」と「ビジネスを形にする」というのは同じ意味ですか。

高橋
高橋
自分の中では「既存事業を強化するのが4Pマーケティング」で、「新商品、新サービス、新事業を生み出すのが妄想」というふうに整理してます。
安田
安田

既存ビジネスの強化がマーケティングで、ゼロイチは妄想だと。

高橋
高橋

はい。

安田
安田

商品開発と顧客創造って、ちょっと違うようにも見えるんですけど。

高橋
高橋

新しい価値を提供する目的って、商品をつくることではなく「顧客をつくること」じゃないですか。

安田
安田

確かにそうですね。売れなきゃ意味ないし。

高橋
高橋

だから商品開発は「マーケティングの一部」という捉え方です。

安田
安田

ということは調査や分析からやるんですか?

高橋
高橋

顧客創造のプロセスとして調査・分析が必要な時もあるし、商品価格や販促の作戦を考えるのもマーケティング活動です。

安田
安田

つまり調査も分析も開発もぜんぶ、顧客創造の手段であると。

高橋
高橋

そうです。「4P上手は商売上手、商売上手は4P上手」と言ってます。

安田
安田

素人で申し訳ありません。4Pって何の略ですか?

高橋
高橋

商品の“Product”、価格の“Price”、販路の“Place”と、販促の“Promotion”ですね。

安田
安田

なるほど。

高橋
高橋

成長している会社をいろいろ分析していると、やっぱり4Pの組み立て方がうまい。

安田
安田

4Pは知りませんでしたけど、私も商品をつくって、値決めをして、売り方を考えています。

高橋
高橋

自然に4Pをやっているのかもしれないですね。

安田
安田

そうなんですかね。

高橋
高橋

零細企業や個人商店には「マーケティングは関係ない」と思っていらっしゃる方が多いんです。けどそうではなくて。

安田
安田

小さくてもやることは同じだと。

高橋
高橋

僕はよく「屋台のマーケティング戦略」という話をするんです。

安田
安田

屋台のマーケティング?

高橋
高橋

例えばラーメンが大好きな人が、屋台のラーメン屋を始めるとしましょう。

安田
安田

ふむふむ。

高橋
高橋

自分では全く気付いていなくても実は4Pを実践してるんですよね。

安田
安田

どういうことですか?

高橋
高橋

結局やらなきゃいけないことは、商品“Product”を開発し、価格“Price”を決定し、どこに屋台を持っていくか販路“Place”を考えて、チャルメラを鳴らしながら販促“Promotion”すること。

安田
安田

なるほど。それが屋台のマーケティングだと。

高橋
高橋

ビジネスの規模とかはまったく関係なく、何か事を起こすためには必ず4Pをやらなくちゃいけない。ならそれを知っていた方が絶対うまくいきますよね。

安田
安田

逆に言うと「商売上手な人」は意識せず4Pをちゃんとやっているということですね。

高橋
高橋

そうなんですよ。まさに「4P上手は商売上手、商売上手は4P上手」です。

安田
安田

それをコーチについて「ちゃんと学びましょう」と。

高橋
高橋

そうです。王将の餃子です。

安田
安田

王将の餃子?またえらい飛躍しましたね。

高橋
高橋

王将って顧客の 8割ぐらいが餃子を頼むんですよ。

安田
安田

そりゃそうでしょう。王将に行って餃子を食べないなんてこと、あり得ないですよ。

高橋
高橋

極論をいえば、マーケティングは看板商品を持てるかどうかが一番の生命線。

安田
安田

それをつくっていくお手伝いというわけですか。

高橋
高橋

そういうことです。「うちのお客さんの8割はこれを買ってくれる」という商品が持ていればビジネスは最強になるんです。

 > 第2回「 なぜ縄文時代は1万年も続いたのか 」へ続く

感想・著者への質問はこちらから