庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第16回 ガーメントデザイナーの「最高の瞬間」
へぇ。そうやってイメージを図面にして、実際にお庭を作っていくわけですよね。そもそも思い通りに作れるものなんですか?
完成した時ももちろん嬉しいですし、お客様に喜んでもらった時も嬉しいです。
ああ、なるほど。それをそのまま作らせてもらえたら、確かに楽しそうです。とはいえ、予算に限らずいろいろな制約が入ってきて妥協せざるを得なくなっていくんじゃないですか?
へぇ、そうなんですか。「お庭」の対になるのが「アルミ製品」なのがすごく不思議な気もしますが。つまりエクステリアを石や木などの自然物で考えるか、アルミ中心で考えるか、ということですか?
仰るとおりです。庭よりも外構をメインで考えられる方は、アルミの製品をご希望されることが多いですね。
僕個人の感覚では、「庭」ではないかもしれません。本物の木を植えるとしても、1本ぽつんと植えるだけでは、「庭」とは言えないかなぁ。
それは本当にそうですね。もちろんお客様のご要望を叶えられている、というのが大前提ですけど。
お客さんの要望を叶えつつ、ご自身も納得いく美しいお庭。それが完成した時が最高に嬉しい瞬間ということですね。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。