「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。
第4回 「社員思いの社長」の本当の姿

仰るとおりです。結果、だんだんと「どこにでもある普通の会社」に近づいていってしまう。そう考えると、100人いて100人が「いい会社」と言う会社って、別にいい会社じゃないんじゃないか、という風にも思えるわけですよ。

まったく同感ですね。すべての人に受ける会社を目指しても意味がないと思ってます。それよりも、好きな人からもっと好かれる会社を目指す。そのためにはむしろ個性を尖らせていくべきで、それを嫌う人がいたって構わない。

とはいえ実際、このSNS時代に「いいこと」ばかりPRしても意味はないと思いますね。たとえば求人広告でも、会社の魅力ばかりズラズラ書いていても「ほんとか?」と思われてしまう。給与や待遇では結局大手に敵わないのだし、他のアプローチを考えた方がいい。

わかります。それで言うと西崎さんのところは、辞めた方の情報なんかも出しているでしょう? あれすごくいいなと私は思っていて。

ありがとうございます。実は私、いわゆる「退職エントリ」の文化が好きじゃないんですよ。退職する人が、会社の公式ブログに「とてもいい会社でした。すごく成長できました」みたいなことを書くやつです。「いや、いい会社なら辞めるなよ」と思ってしまう(笑)。

ええ。で、「この人はここが嫌だったのか。でも自分なら大丈夫そうだな」と思える人は応募してくれる。今の時代、求人もこういうスタンスが求められていると思うんですよ。まぁ、トゥモローゲートさんは採用にまったく困ってないと思うんですけど。

でも西崎さんはそれを隠さないでしょう? 実際その欠点をYouTubeとかで晒している(笑)。人間ってのは欠点を語られれば語られるほど、むしろその人を信頼してしまう生き物なんです(笑)。そして西崎さんはきっと、それをわかってやっている。

そりゃそうでしょうね。「いいこと」を言うより「嫌なこと」を言う方が反響が出る。その結果売上もアップし、いい人材の採用にも繋がる。先日はシェフを雇ったりしてましたけど、あれもそういう文脈でしょう?
対談している二人
西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社 代表取締役 最高経営責任者
1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数18万人とSNSでの発信も積極的に展開している。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。