この対談について
株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。
第45回 愛犬のための葬儀サービス「いぬのおしり」
第45回 愛犬のための葬儀サービス「いぬのおしり」

いえいえ、こちらこそ。コロナ禍で当初の予定からずれ込んだものの、無事2020年7月からサービスをスタートさせることができましたよね。あれから3年半ほど経ちますが、依頼数もだんだん増えてきているんでしょうか?

SNSとチラシですね。チラシは折込配布をしたり動物病院さんに置かせてもらったりしていますが、やっぱり地方はチラシは強いですね。依頼してくださる方ほぼ全員、チラシを見てご連絡してくださっています。

それで思い出したんですが、このサービスを考え始めた頃にすごく驚いたんですよね。「え、ペットって火葬しなきゃダメなの?」って。だって我々の時代は、ペットが死んだら庭とか原っぱに埋めてたじゃないですか。

愛犬の個別火葬とお骨上げをしていただくことができ、骨壷など供養に使う備品までセットでお渡しするプランをご提供しています。

移動火葬車というものがあるんです。「いぬのおしり」のサービスサイトにも写真がありますが、見た目はごく普通のバンなんですが、中に火葬炉が載っていて。で、ご自宅やのうひ葬祭の式場の敷地内で1時間ほどかけて火葬することができます。

できますよ。すぐに火葬はせず、ゆっくりとお別れの時間を取りたい方もいらっしゃいますから。そういう場合は、想い出の品やお花を飾る祭壇を作ったり、愛犬の遺体が傷まないようにドライアイスをご用意したりといったサービスをオプションでつけられます。

なるほど。ところでこれまでに「いぬのおしり」のサービスをご利用された方って、地元の方がほとんどでしたか?

私、この「いぬのおしり」というネーミングが、「葬儀っぽくなく、犬とお別れできる」ということを端的に表せていると思っていて。だからこれから愛犬家の間で「いぬのおしり」という名前がどんどん広まっていく気がします。

そうなると嬉しいですね。そもそも名前の由来が、「ペットが亡くなった後に虹の橋を渡っていくけど、その最期にお尻が見えるよね」ということと「犬好きな人って、犬のお尻が大好きだよね」というところからアイディアが出たんでしたよね。
対談している二人
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。