第31回 万代の報酬の考え方

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国18店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第31回 万代の報酬の考え方

安田

前回のお話で「社長の給料までオープンにされている」と聞いて、またしても驚いたわけですけど。そこで今日は給与のお話をしたいなと。


倉橋

なるほど。経営者としては常に考えている部分ですよね。

安田

ええ。かく言う私は昔、社員に給料を払いすぎて会社が潰れたことがあるんですが、万代さんでは社員の給料に上限は設定しているんですか? 


倉橋
会社の期が変わるとき、都度決めるようにしていますね。自己評価と上司の評価を合わせた評価制度を設けていて、それを基に四半期ごとのランクを出しています。
安田

なるほど。そのランクによって給料が変わると。その年にものすごく活躍した場合は、飛び級のように何段階も上がったりするんですか?


倉橋
ランク自体は一気に上がったり下がったりはしないので、その場合は賞与で還元していますね。万代では利益の10%を年度賞与の原資と考えているんですが、特に活躍した人や貢献してくれた人に多く分配するようにしています。
安田
貢献度によって賞与が変わるということですね。普通の社員のレベルに収まらないくらい優秀な人が出てきた場合はどうなるんですか?

倉橋

評価制度の上限を超えるくらい優秀だったら、役員登用したり、子会社の社長をやってもらったりします。昔ワイキューブ時代に安田さんにお願いして採用した2人も、今では子会社の社長をやってもらってますよ。

安田

おお、お役に立てたようでよかったです(笑)。ちなみに役員や子会社の社長ともなると、給料の上限はなくなるわけですか。


倉橋

上限はないですけど、役員会議での決議が必要になりますね。社長である僕自身の給料ももちろんそうですし。

安田
じゃあそこでダメって言われるかもしれないんですか。

倉橋

言われたことはないですけど、ダメって言われたらダメなんでしょうね(笑)。

安田

なるほど(笑)。ちなみに賞与の原資が利益の10%ということは、つまり5億円の利益を出せば5000万円を賞与に回すということですよね。その10%というのはどうやって決めたんですか? 


倉橋

まずは利益の半分ぐらいを内部留保として次年度に使う感じで考えていて。というのも、万代のようなビジネスモデルだと、設備投資がかなり重要になってくるんです。店舗を作ってから売上が立つまでの時間にインターバルがあるので。

安田
ああ、なるほど。そうするとある程度の内部留保がないと困ると。

倉橋
ええ。税金も考えると、内部留保を60%としたときに賞与として使えるのが10%なんですよね。その割合は変えられないけれど、分母である全体の利益が大きくなれば賞与の原資も増えていく。
安田

なるほど。金額ではなく、割合で決めている所がミソですね。


倉橋
そういうことです。会社の利益が、最終的には自分の報酬にダイレクトに関わってくる。だから「皆で利益を上げていこう」というモチベーションが生まれるわけです。利益が順調に増えていけば、賞与だけじゃなく基本給のベースアップもできますしね。
安田

ああ、そこも重要ですよね。これだけ物価が上がっている中だと、現状維持だとなんとなく減額されたように感じてしまいますから。


倉橋
ええ。こういう時代だからこそ、給与のベースアップをしていく姿勢は絶対に必要だと思いますね。
安田
本当にそうですよね。ちなみに何%くらい上げていきたいというような、具体的な目標はあるんですか?

倉橋
物価や燃料費などの上昇を考えると、ここから10年で5%は上げたいですね。
安田
なるほど。世界経済は5〜6%ぐらいは成長してますもんね。日本はそこまで成長してませんけど。
倉橋
そうですね。それでいうと万代では海外展開を進めていることもあって、同業の会社さんと比べると給与水準が高い方なんです。最近はそれをXで積極的にアピールすることで採用に繋がっています。周りの会社からは面白くないと思われているかもしれませんが(笑)。
安田

まぁでも、どこで働くかを決めるのは働く人自身ですからね。報酬が高いところにいい人材が集まってくるのは当然だと思います。ちなみにもし、倉橋さんより活躍して、会社の利益を倍にするぐらい貢献するような人が採用できたら、自分より高い給料を払ってもいいと思いますか?

倉橋
それは全然かまわないですし、むしろ社長をやってもらってもいいくらいです。世襲は全く考えていないので。
安田

そうなんですか! じゃあ子会社の社長や役員さんから将来万代の社長になる人が出てくるかもしれませんね。


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に18店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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