第76回 お店の売りが全くない場合の集客方法とは

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第76回 お店の売りが全くない場合の集客方法とは

安田

『日本ポスティングセンター』ではチラシの制作時に「このお店に行きたい」とか「この会社に発注したい」と思われるようにチラシの設計をすると思います。ただ中には、PRできる要素がないケースもあるんじゃないかと。


中辻

あー…要は「他社との差別化ポイント」がない場合ですか?

安田

はい。飲食店とか美容室で「このお店、売りがないな…」って思うこともあるんじゃないかと。そういうお店の集客って、中辻さんはどうやるのか興味があります。


中辻

なるほど(笑)。そういうお店に対しては、私はいつも「今からでも遅くないので、何か売りを作りましょう」って言いますね。

安田

ほう、売りを作るんですか。


中辻

はい。というのもポスティングは基本的に、新規顧客の集客を目的にやるんです。そういう意味では、「チラシキャンペーン」とかを使って突発的に集客することは可能です。でも結局「売り」がなかったら、お客さんはリピートしてくれないじゃないですか。

安田

確かに。「チラシを持ってきたらお会計から5%オフ」っていうチラシが入っていたら、とりあえず行くかもしれませんけど、そこで何かしらプラスの驚きがなければ2回目はありませんね(笑)。


中辻

ですよね(笑)。そうするとせっかく広告を打っても、その1回の集客だけになってしまう。それでは費用対効果が悪すぎますし、最終的にはお店としてやっていけなくなると思うんです。

安田

でも世の多くの飲食店や美容室はその状態ですよね。キャンペーンとか割引をつけた広告を出し続けて、お客さんを集め続けないといけない。でも安売りばっかりだから儲からないっていう。


中辻

ええ、まさに負のループですよね。だからこそ、私は「今からでもいいので売りを作りましょう」って提案するんです。例えばリピート客を増やすために回数券とかコースメニューを作りましょうとか、結構言いますね。

安田

そんな具体的なことまで提案してくれるんですか!


中辻

はい。ウチではエステサロンとか整骨院とかいろんなお客様の集客のお手伝いをしているので、「こういうシステムが人気なのか」とか「こういうサービスが伸びるのか」とかのデータがたくさんあるんです。その分具体的なアドバイスができると思いますね。

安田

なるほどなぁ。でもぶっちゃけた話、「キャンペーンを打って集客がうまくいきました! でもリピートがないので、またチラシで集客します」って再依頼される方が、中辻さん的には儲かりません?


中辻

うーん…そこが難しいところで。というのも、お店や会社をやっている間は集客ってずっとやり続けていかないといけないものではあるんです。ところが「集客が全然うまくいっていないお店」よりも「お客さんはいっぱい来ているけど、プラスアルファこういう層にも認知してもらいたいと考えているお店」の方が、ウチを利用してくださる頻度が高いんです。

安田

会社の業績がいいお客さんの方が、よくポスティングをしている、と?


中辻

そうなんです。しかもそういう方たちって「地域を拡大してもっとシェアを取っていきたい」というように考え方も前向きなんです。一方、集客がうまくいっていないお店っていうのは広告の予算も削りに削っている状態なので、たぶんウチに依頼してもらってもろくなことがない(笑)。

安田

なるほど(笑)。中辻さんの会社としては、そういうお客さんに無理やりリピーターになってもらう必要はないわけですね。


中辻

仰るとおりです。だからやっぱりお客様には儲かってもらわないとダメなんです(笑)。それで「プラスの意味」で打つ広告費を大きくしていってもらえたら嬉しいですね。

安田

集客に失敗したからといって何回も依頼を受けるという「負のスパイラル」では取引は大きくならないから、お客さんを成功させて事業を成長させることで、広告予算も多くとってもらえるようになって、結果的に中辻さんも儲かる。そういうことですね。


中辻

そうですそうです。実際に、最初の依頼時よりもチラシの配布枚数が増えているお客様って、どんどん新店舗を出されたり、東京に進出されたり、業績好調な会社さんが多いですから。

安田

なるほどなぁ。そういう「儲かるお店」になってもらうためにも、売りがないお店にはしっかりと売りを作ってもらおうということですね。ちなみに「これがウチの売りです!」って持ってきたものが見当違いな場合もあると思うんですが、そういう時はどうするんですか?


中辻

それはもうハッキリ言っちゃいます(笑)。「え、そんなのどこのお店でもやっていますよ。それは売りにはなりません」とかってズバズバ言っちゃいます(笑)。

安田

あはは(笑)。そんなにズバッと言って、お客さんは落ち込んだり怒ったりしませんか?


中辻

昔はありました(笑)。実績もまだ少なかったから、自信もないし。お客様を傷つけないようにと遠回しに曖昧な感じで言ってしまって、結局、不快にさせてしまったこともあったんですけど。なので今は「私、忖度できないので、失礼な言い方になったら申し訳ありませんけど…」って一言添えてから、好き勝手言わせてもらっています(笑)。

安田

いいですね~(笑)。お客さんだって、うまくいってないから中辻さんに相談しているわけですし、忖度なくズバズバ言ってもらえる方が嬉しいはずですよ。それで怒るような人は、大して良いお客さんにはなりませんから。


中辻

同感です(笑)。

安田

ちなみに中辻さんの考える「いい売り」ってどういうものなんですか?


中辻

正直な話、その基準は「私が利用したいかしたくないか」という判断なんです。ある意味、そういう面では自分の感覚を信用していると言いますか…。

安田

なるほどなるほど。自分が客の立場だったら、その「売り」で自分の店を選ぶかどうかを考えるべきだと。


中辻

はい。というか、経営者の方って意外と自分のことを客観的に見れていない方が多くないですか?

安田

めちゃくちゃ多いです(笑)。


中辻

ですよね(笑)。例えば美容室さんからの依頼で「この沿線5キロの範囲でチラシを配りたい」って言われたことがあるんです。でも5キロも離れた場所から、誰がアナタの「何も売りのない美容室」までわざわざ来てくれるんですか、っていう話なんですよ。

安田

あはは、厳しい(笑)。でも客観的に考えたら当たり前のことですよね。自分が髪を切ろうと思った時に、わざわざ5キロ先のお店まで行く「理由」があるかどうかってことですもんね?


中辻

仰るとおりです。でも本人は自分の店が1番良いと思っているから5キロ離れていても絶対来てくれるって信じてしまっている。だからそういう場合は「お金がもったいないので、まずは2キロ以内からやりましょう」って言うようにしています(笑)。

安田

なるほどなぁ。「客観視=お客さん目線」で自分の商売を見ることで、お店の強み・売りも作りやすいということがよくわかりました。中辻さんに忖度ないチラシ診断をしてもらいたい方はぜひこちらからご依頼してみてください!

 


対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

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1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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