「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第93回 絶好調なベニエ屋さんの、小さな悩み

中辻さんのベニエ屋さん『コビトベニエ』はどうですか? 相変わらず絶好調ですか?(笑)

「クリスマスセット」というのを販売したんです。でも予約開始したのがクリスマス本番の10日程前で。試作したりキレイに写真を撮ったりInstagram用に可愛く加工したりしていたら、全然時間がなくなっちゃいまして(笑)。

いや、そんなことはないと思うんです。でも、通常メニューだけだと飽きられてしまうかなぁと思って。例えば売れているトップアイドルとか有名アーティストでも、ヒット曲ばかり歌い続けていたら飽きられちゃうじゃないですか(笑)。

そうなんですよ。今って、商品の品質チェックやキッチン周りのことは私、お店全体を管轄するのはマメノキカンパニーの部下なんですが、現場のスタッフの子たちもまだ慣れていないので、私たちが現場で研修やOJTをしないといけないことが多くて。そうすると、企画やブランディングに割ける時間がどんどん減ってしまうんですよね。

難しいですよね〜(笑)。例えばマクドナルドさんって、2週間に1回くらいの頻度で限定メニューが変わっていくじゃないですか。あれって全国に店舗がたくさんあるから時間や費用をかけて限定メニューを企画する利点があるわけで。でもうちみたいに1店舗だけだと企画する時間や費用もあまり使えないんですよね…。そういう意味でも、ウチも2号店・3号店を出していくのもいいのかなと思いつつ…やっぱり勇気がいりますよね(笑)。

ええ。とはいえ、飲食業だと最終的に残る利益ってどうしても薄くなるじゃないですか。だからこのベニエ事業をウチの会社の「別柱(べつばしら)」のビジネスにするためには、多店舗展開っていうのは必須だろうなとは思っています。
対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。