第46回 労働力不足を支える地域の助け合いコミュニティ

この対談について

母から受け継いだ指輪をネックレスに、片方なくしたピアスをペンダントに、思い出の詰まった2つのリングを溶かして1つに――。魔法のようにジュエリーを生まれ変わらせるジュエリー修理・リフォーム専門店「Refine」(リファイン)。代表の望月信吾さんに、お客様に感動を届けるジュエリーリフォームの魅力、そして波乱万丈な人生についてお聞きする対談企画です。

第46回 労働力不足を支える地域の助け合いコミュニティ

安田

先日、埼玉で道路に穴が開いてしまって、大変なことになりましたけど、ああいうのってもう他人事じゃないと思うんです。


望月

確かに、全国的に老朽化が問題になってきてますもんね。どこに住んでいても同じことが起こる可能性はあると。

安田

そうなんです。しかも補修作業のための労働力が確保できるのかという別の問題もあって。外国人労働者や定年の延長、専業主婦だった人が働き始めるなどでなんとか維持してきた労働力も、2027年頃には限界を迎えると言われているんです。


望月

2027年なんて、もうすぐですよね。どれだけ労働条件を改善しようが、そもそも働ける人がいなければ意味がないわけで。

安田

ええ。「国にお金がなくて道路が補修できない」と思われがちですけど、実際には「お金はあるけど動ける人がいない」ということなんじゃないかなと。


望月

うーん、大変な状況ですよね。さらに言えば、働き手がどんどん減っていく中で、高齢者は増える一方なわけで。つまり宅配や移動サービスの需要はどんどん高くなっていく。

安田

そうそう。それもどこかで限界が来るでしょうし、そうなったらもうご近所同士で助け合う以外にないと言われてますよね。前回お話した「コミュニケーションインフラ」としての役割なんて、まさにその中心になると思うんです。


望月

Refineにいらっしゃるお客様の、得意なこととお困りごとをつなぐという話でしたね。なるほど、それがご近所同士の「助け合い」のサポートにつながると。

安田

そうですそうです。例えば電球交換を「やってもいいよ」という人と、「やってほしい」という人をつなぐ。専門の業者さんに頼むと出張費や手数料などで何万円もかかってしまうところが、ご近所同士なら安い金額で助け合えるわけです。


望月

なるほど~。エアコンの掃除なんかもよさそうですね。本格的なものじゃなくても、「ちょっと気になるところをきれいにしてほしい」くらいだったらお願いしやすそうですし。

安田

いいですね。そういう情報を集めて、お店に掲示板を作って貼り出しておいてもいいと思います。そうすれば、何か困ったことがあったらRefineさんに見に来るという流れができる。


望月

ははぁ。エアコンの掃除をする人も、してもらう人もうちのお客様同士なわけですね。Refineを通じてのご紹介ということで、ご安心いただけると。

安田

そういうことです。既にネットに「得意なこと」と「お困りごと」をマッチングするサービスはあるんですが、高齢者にはハードルが高いんです。だからこそ、リアルな場でつなげることが大事なんじゃないかと。


望月

ははぁ、なるほど。確かに高齢の方にはそちらの方が安心でしょうね。PCやスマホの操作もいらないし。

安田

。そうなんです。きっと口コミで話題になりますよ。あのお店に行けばいろんな情報が手に入るって。


望月

まずはお客様に「得意なことはありませんか?」とお聞きするところからですね。金継ぎができるとか、植木の手入れができるとか、いろいろ出てきそうな気がします。

安田

そうですね。あとは「晩御飯を多めに作ってご近所に届けるくらいならできますよ」とか(笑)。

望月

そうかそうか。毎日の買い物も高齢だと大変ですから、それをちょっと代わりに行ってあげるとかでもいいのかもしれませんね。自分の通院のついでに病院に付き添ってあげたり。

安田

そうそう。そういうちょっとした助け合いでいいんだと思います。それが無償ではなく比較的安い金額でお願いできたら、助けてもらった人も助けてあげた人も嬉しいわけです。

望月

Refineを通して、Win-Winの関係が広がっていくと。それは素晴らしいですね。

安田

Refineさんという存在が間にあることが、オンラインにはない良さなので。いきなりオンラインで探そうと思っても、「誰に何をお願いしていいのやら…」と途方に暮れることも多いと思うんです。

望月

本当にそうですね。たくさんの選択肢がありすぎて、逆に迷ってしまう。私も覚えがあります。お隣同士で醤油を貸し借りするような、そんな気軽な助け合いをお手伝いできたらいいですね。

 

 


対談している二人

望月 信吾(もちづき しんご)
ジュエリー工房リファイン 代表

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25歳で証券会社を退社後、父親の経営する宝石の卸会社に入るが3年後に倒産。その後独立するもすぐに700万円の不渡り手形を受け路頭に迷う。一念発起して2009年に大塚にジュエリー工房リファインをオープンして現在3店舗を運営。<お客様の「大切価値」を尊重し、地元に密着したプロのサービスを提供したい>がモットー。この素晴らしい仕事に共感してくれる人とつながり仕事の輪を広げていきたいと現在パートナー募集中。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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