「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第98回 企業のナンバー2に向いている人の考え方

今日は中辻さんの「ナンバー2理論」というものをお聞きしたいと思いまして。中辻さんは『マメノキカンパニー』でナンバー2のポジションなわけですが、社長の久保さんを見ていて「トップ社長って大変そうだな」と思うことってありますか?

融資を受けるための銀行とのやり取りとか、決算業務で税理士さんと話をしたりとか、そういうのは全部、社長の久保さんがやっていたんですね。

そうですそうです。たとえば融資を受けるにしても、それを運用するのか、先行投資するのか、プールしておくのか…そういったことを考えるのってすごく重要なところですよね。でも私にそこを判断する能力なんてなかったし、もっと言えばその勇気もありませんでした。

はい。いつの間にか…ごくごく自然にシフトしていましたね(笑)。つい先日も、銀行さんから追加融資していただいたんですが、そのお話も全部私がして、印鑑も私が押してきました。もちろん久保さんにはちゃんとご相談した上で、ですけど。

なるほどなるほど。じゃあちょっと踏み込んだことを聞きますが、仮に融資を受けるのに連帯保証が必要だとなったらどうしますか? ナンバー2の立場でも保証しますか。それとも、それはあくまでトップ=社長の仕事だと思いますか。

仮に久保さんの指示のもと私が働いているだけなのであれば、連帯保証も久保さんがすればいいと思いますけど。でも今のマメノキカンパニーの状況って、ほぼ全て私が1人で責任を持ってやっているんですよね。社長である久保さんは年に1回決算書を見るだけ。だったら私が連帯保証をする責任もあるのかなと思います。

そうですね、「実質的には社長やな」という気持ちでやっています(笑)。実際お客様にもしょっちゅう「中辻さんは、社長さん…?」って聞かれるので、「肩書は専務取締役ですけど、社長だと思ってもらって大丈夫です」って言ってます(笑)。

笑。ちなみに世の中的には自分がトップに立つのではなく、そのトップをサポートする「有能な右腕=ナンバー2」になりたいというタイプの人が一定数いると思っていまして。そういう人たちが社長に必要とされるためには、どういう心持ちで仕事をするのがいいですかね。

そうそう。もちろん一番重要なことは、トップである社長の願いを叶えることだとは思います。例えばウチの会社でいうと、「売上規模10億円の会社を10個作りたい」という久保さんの願いを叶えるために、私は仕事をしているわけで。
対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。