けっこう多くの人が、若いころにちょっと関心があり、おそらく30歳代に入ったころにはいつのまにか興味が消えているようなものがあります。
それは、資格です。
資格の役割を定義するとすれば、
「自分の能力的ポテンシャルを形にして、社会生活を後押ししてくれそうなツール」
とかいうことになるかと思います。
しかし実際に社会で武器になるかどうかはといえばそこまで有用ではなく、むしろあまりアテにできないことは、資格に労力を注いだ体験があるかどうかを問わず、誰もが自然に察するところではあります。
一般に、資格が実社会でパワーを発揮するのは、医師や弁護士のような独占が保障されていて、かつ障壁が高いものです。または、ベテランの職業人がよりその分野を深く修めるために取り組む場合などです。
いってみれば、ここでの資格とは、
「あるバリューの高い世界に参入するためのパスポート」
ということになります。
もしここまでの共通認識が世間にいきわたっていれば、資格は(おもに)若い人の興味をそそるものではなくなっているでしょう。
しかし、実際はもうちょっとイージーというか、
「資格で人生一発逆転」
のような発想はいつの世も存在するわけです。
社会的地位が高い人で、資格を掲げているのは、一部の士業だけではありません。
MBAが典型と思いますが、エリートのビジネスパーソンは経歴になにがしかがくっついていることが多く、それは決まって難易度が高いものです。
こういう傾向が、とくにエリートでないような若者を誤解させているのではないかと思うのでございます。
名が通るほどのビジネスパーソンとは、いってみれば最初からめちゃくちゃケンカが強い腕っぷしの持ち主のようなものです。その人が武道を教わって黒帯まで習得した、ようなことが、たとえばMBAみたいなものではないのでしょうか。
でも、わたくしのような一般人だと逆に思っちゃうんですよねえ……
黒帯を取れれば強くなれるって……