この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。
安田
温暖化の影響で雪が降らなくなった地域がある一方、豪雪地帯も増えています。
久野
雪が降りすぎてスキー場をやめちゃった地域ですよね。
安田
はい。でも降りすぎて閉山ってどういうことなんでしょう。
久野
そもそも地方に人がいなくなってるじゃないですか。だから整備できないんですよ。お金もないので除雪もできない。
安田
久野
いずれ老朽化したインフラが全国で一斉に使えなくなります。
安田
人口がどんどん増えていた頃に作ったインフラですからね。日本列島改造論で新幹線とか道路を繋げちゃったじゃないですか。
久野
あの時は良かったと思うんですよ。人口も増えていたし。交通網を発達させることで日本全体が盛り上がっていって。
安田
当時と真逆の日本列島第2改造論をやらないと。作ったものをうまく減らしていくように。
久野
小さくしていくしかないですね。とくに雪とかは命に関わるから。雪かきして亡くなってる方もいらっしゃいますし。
安田
命懸けで暮らさなきゃいけない場所が増えていくんでしょうね。
久野
若い人がいて、他の地域ともちゃんと繋がりがあって、という前提で作られた集落なので。
安田
今はお年寄りが自分で雪かきするほかないみたいです。
久野
地方はお金もないから「雪かきはこの線までしかやりません」という感じ。
安田
久野
今使っているインフラが壊れたら住めなくなる地域がどんどん出てきます。道路が陥没しちゃった埼玉も水道料金が40%上がるみたいで。
安田
もう1回作り直したらめちゃくちゃコストがかかりますもんね。倍ぐらいの料金を取らないと成り立たないんじゃないのかな。
久野
安田
小さな村だと公共料金が数倍になるかもしれませんね。
久野
そもそもそこに税金を投入するかどうか。日本中にそういう場所があるわけなので。もう無理じゃないですか。
安田
久野
安田
今のインフラが作られたのが50年前で耐久年数が限界にきているみたいです。
久野
安田
老朽化度合いを調べる調査すらできないって言われていますね。
久野
どこに配管があるのか、どれくらい掘ればいいのか、それすら把握できていない可能性もあります。
安田
調査する人員がいないし調査できる職人もいない。なにせ50年前の技術で作られていますから。その頃の技術を持った人がほとんどいない。
久野
行政自体をスモールにして統廃合していくしかないと思います。「もう申し訳ないけどこの場所はもう無理です」って。
安田
都心部は物価が高いので群馬や静岡に移る人が増えているそうです。
久野
安田
友達がいたら会いに行けるし、生活費は安いし、自然もあるし。首都圏の田舎みたいなところが人気だそうです。
久野
そこまでが限界でしょうね。都心から3時間を超えたらもうアウトでしょう。
安田
久野
同じようになっていくと思います。東京、大阪、名古屋、福岡とその近辺以外は、もう残れないかもしれない。
安田
それ以外の都道府県は1〜2箇所に固まって暮らす感じでしょうか。
久野
そうですね。人が集まって住むっていう。そこにインフラを集約させる感じでしょうね。
安田
日本全国どこでも水道をひねれば水が出てくる時代は終わる。
久野
安田
ガスはプロパンになって、水道はウォーターサーバーになっていくんでしょうね。
久野
安田
久野
ある程度人がいれば銭湯もありですけど。人が少ないと成り立たないでしょう。
安田
久野
安田
地方の中小企業はビルごとに受付や経理がある感じで。社内から無くしていって。
久野
いいですね。それぐらいやらないともう人が足りないので。
安田
マンションも共同浴場、共同トイレに戻るのかも。昔のアパートみたいに。
久野
シェアリングエコノミーですね。最後はそうなるかもしれません。
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安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。