地元国立大学を卒業後、父から引き継いだのは演歌が流れ日本人形が飾られたケーキ屋。そんなお店をいったいどのようにしてメディア取材の殺到する人気店へと変貌させたのかーー。株式会社モンテドールの代表取締役兼オーナーパティシエ・スギタマサユキさんの半生とお菓子作りにかける情熱を、安田佳生が深掘りします。
第62回 ケーキ屋に「スキマバイト」はありかなしか

最近結構話題に出る「Timee」っていうスキマバイトサービス、知ってます? 1時間だけ働けるとか、当日ポンと入れるんですよ。

いやね、ワタミが買収した「サブウェイ」ってサンドイッチ屋が、スタッフをTimeeだけで回してるという話を聞いて驚いたんですよ。

ある意味すごく公平な働き方なのかもしれません。それに単純に便利ですよね。ちょっとした空き時間にサクッと働くとか、待ち合わせの間に1時間だけシフトに入るとか、場合によっては旅行先で利用したりして。

ああ、確かに。紹介料を払うにしても、自社で採用するよりも安くすむでしょうしね。まあでも、そもそもTimeeを使うのは「自由を好む人たち」なわけでしょう? そういう意味では正社員採用の話が来ても断っちゃいそうな気もしますけど。

そうそう。あと先ほども出ましたけど、時給を簡単に変えられるのが画期的だなと。忙しい時は時給を上げて人を集めて、逆に暇な時は下げる、あるいはそもそも募集をかけない、みたいなことが柔軟にできる。「雨だから今日は時給高くします」とかね。
対談している二人
スギタ マサユキ
株式会社モンテドール 代表取締役
1979年生まれ、広島県広島市出身。幼少期より「家業である洋菓子店を継ぐ!」と豪語していたが、一転して大学に進学することを決意。その後再び継ぐことを決め修行から戻って来るも、先代のケーキ屋を壊して新しくケーキ屋をつくってしまう。株式会社モンテドール代表取締役。現在は広島県広島市にて、洋菓子店「Harvest time 」、パン屋「sugita bakery」の二店舗を展開。オーナーパティシエとして、日々の製造や商品開発に奮闘中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。