人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第82回 「答え」は外側ではなく内側にある

現状人間は月まで到達できているわけですが、イーロン・マスクが「火星まで行くぞ!」と言って頑張ってますよね。世間的には「そんなことできるわけない」と思っている人も多そうですけど。でも宇宙全体で見ればね、火星なんてすぐそこなわけですよ(笑)。

そうなんですよ。それでも人間から見れば、太陽系の端はおろか火星に辿り着くことすらとんでもなく難しいわけで、それにむけて沢山の人が必死に頑張っている。…それであらためて考えたんですよ。「なぜ人間はそんな大変な思いまでして宇宙を目指すのだろう」と。

もちろんどちらも大事だというのは前提ですが、どちらといえば「答えは内側にある」と考える人間ですね。外部にあるものはあくまで外部であって、それらをインプットしたうえで自分がどう感じるか、が重要なんだろうなと。

いやぁ、同感です。そもそも「絶対的で完璧な正解」なんて求めなくていいんですよ。その時点で自分が素直に思うことを一旦の答えとすればいい。逆に言えば、人生において「絶対の失敗」なんてものもないわけで。

学校教育の影響が大きいような気がしますね。学校っていまだに「正解を出せる人」が評価される場所なので。本当はテストでいい点を取ること以外にも無限で多様な幸せのカタチがあるはずなんですけど、教育システムとしてそこを教えられていない。

確かになぁ。そもそも勉強って、「新たな問いに答えるための準備」のはずなんですよ。数学にしろ科学にしろ、先人の知識を学んで、そこから次の謎に挑んでいく。つまり次のステップに進むための道具なわけで、先人の知恵をなぞるだけじゃ意味がないんです。

しかもそこに個人のモチベーションはなかったりするんですよね。やれと言われたから、やらないといけないから仕方なく学んでいる。例えるなら、別に興味はないけどロケットに乗って宇宙に出ていっているようなもので(笑)。

確かに(笑)。まぁでも、地面を掘るよりわかりやすいんでしょうね。宇宙なら何千万キロ、何億キロみたいな壮大な世界ですけど、人間が掘った一番深い穴でもまだ12キロちょいですから。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。