いま会社をつくるとしたら

これから会社を立ち上げようとする人なら真剣に考えるはずである。どんなビジネスを選ぶべきか。どこに価値を置くべきか。メイン商材は何か。ターゲットはどんな人か。集客のポイントはどこにあるのか。SNSはどう展開するのか。社長である自分はどういうポジションで情報発信していくのか。

組織についても考えるだろう。この人不足時代に盲目的に人を増やすことは得策ではない。どんな組織を作るのか。雇用と外注をどう切り分けるのか。雇用するならどんな人材か。外部の優秀な人材とはどうやって繋がっていくのか。全てを完璧に整えることはできないが考えるべきことはたくさんある。

では既に会社を経営している人はどうだろう。今ある事業や組織を変えることは簡単ではない。だが「既に動いているから」という理由で何も考えないのは愚の骨頂である。何もしなければ変化の波に飲み込まれてしまう。生き残るのは強い種でも賢い種でもなく変化し続ける種なのである。

そんなことは分かっている。だが現実的に今ある事業はやめられない。組織もそう簡単には変えられない。と考える経営者が多いのではないだろうか。確かにそれは事実である。新たに作るより今あるものを変える方がはるかに難しい。だが不可能ではない。そして変えることを決断できるのは社長だけだ。

変える決断は簡単ではない。だが衰退の原因は決断できないことではない。その一つ手前。「どうせ変えられないのだ」と考えることを放棄してしまうこと。これが破滅への確実な一歩となる。いま自分が会社を始めるならどういうビジネスを選ぶのか。どんな組織を作るのか。考えることは簡単なはずだ。

今やっているビジネスをやめる決断。組織を根底から変える決断。それは確かに難しい。取引先や社員の顔が頭に浮かぶ。だが今はそんな決断をしなくてもいい。やるべきは頭のリセットである。今の立場を完全に忘れてゼロイチで考える時間。それを持つことが何よりも重要なのである。

いま事業を始めるとしたら。自分はどのような業種を選ぶのだろう。どの地域を選ぶのだろう。どんな組織を作ろうとするだろう。SNSにはどうやって取り組むのだろう。20代の若き起業家になって何度も何度もこの問いを繰り返す。考えることは自由だ。そして未来を変えることも社長の自由なのである。
 

 

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