その212 行動力おばけ

その「行動力おばけ」。いろんなリスクをものともしない、並はずれて行動力のある人をそう呼んだりします。

特に、仕事の分野で成功者といわれる人に多い性質です。みんなも普通はうらやましい、あやかりたいと思っているので、その武勇伝は世に喧伝されます。切った張ったを繰り返し、銀行口座が干上がり、後ろから撃たれても復活する。普通の人には到底まねのできない、切り立った崖っぷちを全力で駆け抜けるような人生。

ですが、そこには語られない側面があります。それは崖っぷちから実際に落っこちてしまった人生です。生き残った者だけによって語られる物語、一般に生存者バイアスとよばれるやつですね。

そしてもうひとつ、生還した出来事は誰によって語られているか、ということがあります。

リアルタイムを目撃した人々の証言もあるでしょう。しかし、もっともインパクトがあり、影響力があるのは、ご本人からつむぎだされる物語です。
「あの頃のハナシ、聞かせてくださいよう…」と誰かに求められ、
「またかよ、ったくしょうがねえなあ…」と答えているうちに、それは証明を問わず、すべて完全な事実のように拡散していきます。
当時の「張りっぷり」が強烈なほど、つまり行動力が強ければ強いほど、物語の振り幅も拡散の度合いも加速していきます。

また、かつて怖いもの知らずであらゆるものをグイグイ攻めていたパワーが、後年落ち着いたとはいえ常人と同じになるものでしょうか?いくつかの小さな恥ずかしい話、くらいしかコンテンツのないわれわれ一般人と同じはずがありません。

半生をゆったり振り返るときにもつい、おのずとド派手なトークが展開されることになります。

行動力おばけが最後には、自身で伝説を爆誕させることになるのです。

 

 

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著者自己紹介

「ぐぐっても名前が出てこない人」、略してGGです。フツーのサラリーマン。キャリアもフツー。

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