その54 タイパの対価

こんにちは。
「おっさんがネットでみた若者言葉を知ったかするシリーズ」、
栄えある第1000回は
「タイパ」
です。
(1000回は嘘です)

さて、「タイパ」の前の「コスパ」があちこちで使われていたときから
「これ、どこまでマジなんかな…?」と思っておりました。
証明されるものでもありませんが、
たとえ本気ではないとしても
これだけ世間でふつうに広く使われているところからするに
あまり冗談で使っている風ではなさそうです。

なぜわたくしが冗談ではないか、しつこく疑っているかというと、
世にいわれる「コスパ」の事例に「パフォーマンス」が含まれていることが
まったくといっていいほどないからです。

たとえば、どこかの飲食店に行って食事する。

価格がいくらのものに対して、
量がいくらで味がどうだったから
結果お得である、あるいはイマイチであるというのが
上でいう「コスパ」のようです。
ここで、「コスト」は支払ったお金だとして、
「パフォーマンス」は数日後トイレで出会う成果物くらいしか
思いつきません。

ここをご覧になっている方には釈迦に説法ですが、
飲食店であるなら
経営する人にとって
広告にかけた投資と売上の向上のような関係が
コストとパフォーマンスであるわけで、
単にお客がお店でご飯を食べる行為が投資になるということは
まずないといえるでしょう。

めんどくさいこというなよ、
ただコスパっていいたいだけだったんだよ、
ということかもしれませんが、
たとえ話にしても
もともと言おうとしたことと
使っている言葉が
あまりにピントが合わないようで、
わたくしはどうにもケツがむず痒いのでございます。

「タイパ」になると、なおさらです。

「タイパ」のために
定食形式ではなくワンパッケージの「完全栄養食」を食べていて、
ふつうのメシを食べていては生まれないアウトプットはあるのか。
あるいは
映画に2時間かけるのがダルいからと
ネタバレコンテンツで知った過程で
普通に受容していれば発生した感動や新しい理解があるのか、
ということです。

子どもが動画を2倍速で見ることができる、
これはけっこう凄いことだと思います。
凄いのですが、パフォーマンスだというなら

動画なんて見てないで勉強しろや

ということなのです。

 

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著者自己紹介

「ぐぐっても名前が出てこない人」、略してGGです。フツーのサラリーマン。キャリアもフツー。

リーマン20年のキャリアを3ヶ月分に集約し、フツーだけど濃度はまあまあすごいエッセンスをご提供するカリキュラム、「グッドゴーイング」を制作中です。

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