その35 すごいぞアルベルト

現在ママチャリで通勤しております。
2年ほど前に買ったものの、
まったく乗らずに集合住宅の駐輪場の片隅に放置していた存在を
思い出したものです。

2年も放っておいてなんですが、ママチャリとしてはなかなか高額でした。
某大手タイヤメーカーブランドのフラッグシップママチャリで、当時7、8万円しました。
ちなみに電動ではありません。

ひさしぶりにママチャリにまたがってみたところ、
乗ってみてなぜほとんど使わなかったのかを思い出しました。
どうしても自分が好きだったスポーツサイクルと比べてしまい、動きが退屈だったのです。
しかし道具と割り切って使っているうち、徐々に気づいたことがありました。

年単位で放置していたのにタイヤに空気を足すだけで即、走れました。
普通の自転車は駆動がチェーンで、チェーンは鉄製で、保管は野外で、ということで、
長期間動かさなければチェーンが茶色いサビのかたまりになっているところです。
しかしアルベルト(商品名)はベルト駆動のため問題なく回りました。

ほかのパーツも頑強でした。
ブレーキの剛性が抜群で、急な坂を下っても音も出さずにがっちり効きました。
ライト類も勝手に点いて明るさが十分です。

ひと言でいって、メンテナンスなどろくすっぽしないだろう一方で
DVのような扱いをする中高生の暴虐に耐えられる設計になっていたのです。

とどめは、ホイールの部品精度が良いらしく、
ちゃんと漕げばちょっとしたクロスバイク並みの走行スピードを保てるのでした。
もっとも走行性能に影響するホイールを良くすることで、
自転車の質は格段に上がりますが
相応にかなりのコストがかかり、かつ見た目でわからない部分なので、
正直ようこんなことするなと思うところでした。

この車種は通学向けとして大定番なようですが、
電動でもないただのママチャリに7万と聞いて高いと思わないお客さんは
そう多くないでしょう。
それでも受け入れられる理由は、
メーカーと販売経路が大きいこともあるでしょうが、
なによりお店が自信をもってリコメンドしうる品質の賜物でありましょう。

このような良心的なプロダクト、メーカーさんもより積極的に

「乗る人にゃわからねえ大事なところこそ高性能」
「あなたのガサツなお子さんが毎日乗ってもヘーキヘーキ」

などとアピールしてほしいものです。

 

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著者自己紹介

「ぐぐっても名前が出てこない人」、略してGGです。フツーのサラリーマン。キャリアもフツー。

リーマン20年のキャリアを3ヶ月分に集約し、フツーだけど濃度はまあまあすごいエッセンスをご提供するカリキュラム、「グッドゴーイング」を制作中です。

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