“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第160回 「値引きで売る時代」の終わり

パルコが55年も続けていた夏のセールを中止したそうですね。「服を買うタイミングはここだ」と決めていた人も多かったと思うんですが、こういうことはこれから増えていくんでしょうか。

増えると思いますね。そもそも日本はもう四季じゃなくて夏と冬の二季ですから。秋がなくなったことでアパレルにとっては構造的な問題が起きているんですよ。うちもアパレルを取り扱っているので、すごく実感しています。

ええ。アパレルには「おしゃれするなら秋から」という文化があって、秋物を担当する部署は花形中の花形なんです。会社を代表するバイヤーがオータムプロジェクトをやっていた。その出番が丸ごとなくなるわけですから、組織として簡単には切り替えられない。

本来なら東南アジアのように夏と冬の二極化で展開すべきなんでしょうけど、花形部署に「あなたたちの季節はもうありません」とは言えないですもんね。ユニクロさんもまだ四季から二季への移行はしていないんですよね。

私もまだ暑いうちに「秋になったら着よう」と思って買った服が何年もクローゼットに眠っていますよ。前日まで暑くて、いきなり寒くなるから中間のファッションができない。買ったのに一度も着ていない服って、確かにあるんです。

まさにまさに。今の店舗のエアコンって、もともとそこまでの暑さを想定して設計されていないんです。しかも秋物を手に取ってもらうには、暑さをしのぐだけじゃなくさらに涼しさを感じてもらわないといけない。今のエアコンの設計ではそこまではカバーしきれないんですよ。

そうでしたよね(笑)。本来は「これがこんな価格で買えるの?!」という喜びからスタートすべきなんですけど、実態はやっぱり在庫処分の側面が強い。お客さんもその古い慣例にもう付き合ってられないという感じになってきて、セールは思った以上に伸びなくなっていると思います。

私も昔は欲しいけど高いなというものがセールになったら買っていたんですけど、品揃えが減って色もサイズも限られるんですよね。安く買えた感動より「欲しい色じゃなかった」という不満の方が大きくなってしまった。

昔はお金持ちが定価で買うブランドを、セールで安くなったら一般の人が買うという図式がありましたけど、もうそこまでしてブランドを着たいとは思わないのかもしれませんね。妥協しなくてもおしゃれで安いものがいくらでもありますし。

温暖化の影響だけじゃなく、セールという仕組みそのものが終わりを迎えているということですね。万代さんでもセールはやらないんですか?
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

















