この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。
安田
フリーランスから社員に戻りたい人が増えているそうです。
久野
フリーランスになる人が増えていますので。戻る人も必然的に増えるんじゃないですか。
安田
確かに。同じ割合だとしても人数は増えるわけですね。
久野
はい。戻りたい人がたくさんいることも事実ですけど。フリーランスが減っているという話ではないと思います。
安田
じつは先日、気になったYahoo!ニュースがありまして。41歳フリーランスの話で。この人は30歳まで正社員をやっていて、独立当時は収入が2倍になったそうです。
久野
安田
IT系と書かれていました。最初は良かったそうですが、だんだん仕事が減っていき単価も落ちて、正社員に戻ろうとしたけど気づいたら40歳でスキルも全然伸びてないという。
久野
AIの流れで急速に食べられない人は増えていますね。
安田
AIに代替されるレベルの仕事だったということでしょうね。厳しいようですが。
久野
コンサルタントで独立するとかもそうですけど。独立したら自分で勝負しなきゃいけないじゃないですか。
安田
集客力も含めてスキルアップしていかないと、いずれ食えなくなりますよね。
久野
社員なら会社がクライアントを連れてきてくれますけど。独立するとそうはいかないです。
安田
会社が仕事を作ってくれるのが会社員。自分で仕事を生み出さなきゃいけないのがフリーランス。当然といえば当然だと思いますけど。
久野
スキルに関しても完全に自己責任ですから。じつは会社員って結構アップデートしていくんですよ。いろんな情報に触れる機会も多いので。
安田
確かに。会社にいるだけで最低限のスキルアップはしますよね。
久野
業務委託で苦しくなるパターンは目の前の仕事だけやってしまう人。
安田
久野
安田
同じクライアントの仕事だけをやり続けて、あるとき仕事が無くなり単価が下がって焦るっていう。ちょっと考えたら分かりそうな結末ですけど。
久野
業務委託って3種類いて。どこでやっても食べていけるレベルの人が2割、過去の延長でなんとか食べている人が6割、2割は独立をしちゃいけないような人。
安田
「自分で仕事を作れるかどうか」がひとつの基準ですよ。新規顧客の開拓を全くやらない人は独立しても長くは食べていけない。
久野
そうですね。今の仕事っていずれは必ず終わるわけですから。
安田
はい。AIで仕事が無くなるというより、振られた仕事だけをやってきたことが問題だろうと。それだと会社員とやっていることが変わらない。
久野
でもフリーランスってそういうパターンの方が多いですよ。安田さんの周りがちゃんとしているだけで。
安田
久野
仕事が続くと思っちゃうんでしょうね。「仕事は無くなるもの」という前提でやってる人って少ないですよ。
安田
基本的に仕事なんて続かないものだと思わないと。そのために常に集客や商品開発をしているわけで。
久野
安田
10年後も同じ仕事で食べていけると思ってるんでしょうか。
久野
そこまで考えずに独立しちゃうんだと思います。目の前の収入が増えるかどうかだけで。
安田
クライアント直で受けると確かに収入は増えますけど。その分経費も増えます。社会保険料も2倍になるし。集客コストも自分で負担しなきゃいけないし。
久野
そこを分かっていない人が独立して苦労するんでしょうね。
安田
このYahoo!ニュースの人も10年で食えなくなったみたいで。40過ぎて同じスキルで就活してもそりゃあ見つかりませんよ。
久野
とくに経営者はフリーランスをやっていた人に対してネガティブですから。
安田
久野
一旦自由になった人ってマネジメントが難しいイメージなので。就職活動にはかなりマイナスですよ。
安田
「フリーランスを10年やってました」は売り文句にはならないんですね。
久野
だって安田さんが応募してきたら、ちょっと嫌じゃないですか(笑)やたら自由そうだし。
安田
確かに。私だったら採用しないですね。言うこと聞かなそうだし(笑)
久野
安田
確かに。使い辛そうな人が多いです。そもそも独立して稼げている人は会社員に戻ろうとは思わないですけどね。やはり集客力がポイントではないでしょうか。
久野
そうですね。ドラッカーは「顧客の創造」だと言ってますけど。そこが商売の基本ですよ。
安田
独立するなら少なくとも会社員よりはスキルアップしていかないと。当たり前ですけど。
久野
もしくは安田さんが言うように、自分で商品を作ってマーケットを開拓するかですね。
安田
今どんどんフリーランスが増えていますけど。なぜだと思いますか?
久野
目の前の収入アップがひとつ。もう一つはランサーズみたいに仕事を斡旋してくれる会社が増えたこと。お客さんを集める作業をやってくれるので。
安田
確かにやってくれますけど。その代わり単価は安いですよ。超レッドオーシャンというか。
久野
本当は自分でプライシングしなくちゃいけない。その価値に見合う商品を提供しなくちゃいけない。それができないならフリーランスは難しいと思います。
安田
昔に比べたら商売しやすいですけどね。オフィスを構える必要もないし。初期費用が激減しましたよ。
久野
確かにそうですね。かなりハードルは下がった気がします。
安田
しっかりサイト構築してSNS運用も本気でやれば、やっていけると思うんですけど。
久野
それすらやらないんですよ。ハードルが下がった分、やっちゃいけない人がやっちゃったってことだと思います。
安田
久野
しちゃうんですよ。でも実際はやれないんです。安田さんが言うように集客への投資と営業のメンタリティは必須です。
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安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。