第177回 失敗から生み出された「ブレない」経営判断

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第177回 失敗から生み出された「ブレない」経営判断

安田

私は常々、中辻さんの自己肯定感の高さというか、自分の決断を信じてブレない姿勢がすごいなぁと思っていまして。やっぱりご自身でも、自己肯定感は高いなと思われます?


中辻

いやぁ、どうやろうなぁ…。それで言うと「自分を肯定している」というよりか、自分が判断したことに対しては、自分を信用して前に進むようにしている、という感覚に近いかもしれません。

安田

ほうほう。


中辻

でもね、今でこそ自分が経営者として判断しなければいけないことについては、あんまり悩まずに決められますけど、若い頃はめちゃくちゃ悩みましたよ〜。安田さんもそうじゃなかったですか?(笑)

安田

仕事の采配とか、人の採用とか、若い時は悩みましたね〜(笑)。


中辻

ですよね(笑)。私も昔は「本当は嫌だな…」と思いつつ無理に突っ走ってしまったものは、95%くらいは失敗してましたよ。

安田

その「失敗」というのは具体的にどんなことだったんですか?


中辻

例えば配布員さんの採用とか。

安田

ん? 中辻さんの会社って、配布員さんの採用基準って他社と比べてもかなり厳しいんじゃないんでしたっけ? それでも失敗したんですか?


中辻

そうなんですよ。基本的には、15人応募があっても1人採用するかどうかっていうくらいの基準なんですけど、どうしても人が足りないエリアが出てきてしまう。そんな時は、多少人間性に不安を感じる人がいても、人手不足のエリアが担当できて、しかもある程度の経験者だったら…。

安田

…まぁ、採用したくなりますよね(笑)。


中辻

そうなんですよ(笑)。でもそこで妥協して採用してしまうと、大体失敗するわけです。クレームになってしまった時に「あぁ、あの時採用を迷ったあの人か…」って。

安田

なるほどなぁ。採用は「迷ったら採らない」にした方が、絶対いいですよ。


中辻

本当にそうですよね。だから今は自分の直感を信じて、少しでも「ん?」と違和感があった人の採用はしないようにしています。

安田

なるほどなるほど。仕事についてはどうですか? やっぱり採用と同じように、違和感がある仕事は引き受けない?


中辻

そうですね。それこそ昔、何かの経営セミナーで私が「私たちにもお客様を選ぶ権利はありますよね」って言ったら、「社長がそんなスタンスじゃ、会社をやっていけないよ。経営者としてその認識は間違っている」みたいに言われたことがあって。

安田

へぇ、そんなことを言われたんですか!


中辻

そうなんですよ。でもウチの会社って、クライアントさんの商品の良いところを最大化してアピールして集客のお手伝いをする仕事なので。だから基本的にはお客様のことが好きじゃないと一緒にお仕事できないんですよ。

安田

高圧的な態度で言ってくる客とは、仕事はしたくないぞ、と(笑)。


中辻

そうそう(笑)。最近は少ないですけど、私が若い頃とかはタメ口とか命令口調で言ってくる人が多かったんですよ。もちろん私もまだ若かったから、へにゃへにゃして頼りなかったっていうのもあるんでしょうけど…。でもなんか、「こっちが金払う立場なんやからな」みたいな高飛車な態度を取ってくるわけです。

安田

…最低ですね(笑)。


中辻

ですよね(笑)。しかも、そういう人に限ってめっちゃ値切ってくるし。でも昔は、ちょっと売上が足りない時なんかだと、まあ仕方ないかと受けてしまっていて。

安田

でもそれ、うまくいきました?


中辻

当然、うまくいかないです(笑)。そもそも値切られているから配布員さんへの報酬を削らざるを得なくなったり、理不尽な要求ばかりで部下の子たちにもすごく迷惑をかけたり、めっちゃ大変でした。なので今は、自分が嫌だと思う仕事は受けないって決めてます! …すごいわがままですけど(笑)。

安田

いやいや、それは全然わがままじゃないですよ。正しい経営判断だと思いますね。


中辻

ありがとうございます。まあその代わり、すべて自分で責任を負う覚悟でやっているんで、もしかするとそういう姿が、「自己肯定感が高い」という風に見ていただけるのかもしれませんね。

安田

なるほどなぁ。元から自己肯定感が高かったわけじゃなくて、若い頃の失敗があってこその今、というわけか。でも失敗しても流されてしまう人の方が多いのに、中辻さんはちゃんと元に戻せているのはすごいことだと思います。やっぱり根っこがしっかりしているんでしょうね。


中辻

いえいえ、そんな…(笑)。でも自分の決断に自信を持てるようになったのって、30過ぎた頃にようやくって感じですよ? 最初の3〜4年くらいはずっとお勉強させてもらっていましたから(笑)。

安田

いや〜そういう人はなかなか少ないので。やっぱり中辻さんは特殊で素晴らしい強さがあるっていうことがよくわかりました!

 


対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

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1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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