「ラーメン店での新卒採用が難しい!」【読むPodcast | ゲリラマーケティング】

第505回「ラーメン店での新卒採用が難しい!」
というご質問。
採用に困っている会社の共通点は「会社目線であること」だと言い切る安田。
栃尾

こんにちは。安田佳生のゲリラマーケティング。ナビゲーターの栃尾江美です。

金子

平和主義と言えるのは、まわりの人が平和でいさせてくれるからですよねえ。ありがとうございます!金子亜佑美でーす。

安田

安田佳生でーす。

栃尾

「平和主義」って言ってるってこと?言われるってこと?

金子

「平和主義ですぅ~」って言ってるんですけど。

栃尾

ああ、そうなんだ(笑)

金子

「ああ、みんな平和にさせてくれてんだな」と思って。

栃尾

ああ、たしかにね。自分だけじゃできないから。

金子

そうなんですよ。

安田

「平和にはコストがかかる」とか言う人もいますしね。

栃尾

はいはい。

金子

えーっ。

安田

「平和のためには核兵器が必要だ」って言う人もいるし。

金子

ああ、そっかそっか。

栃尾

いろいろですね。

安田

うーん、むずかしいですね。

栃尾

うんうん。

金子

むずかしいですねえ。

栃尾

はい。今日もむずかしい質問をいただいておりますので。

金子

なんだってえ!?

栃尾

読みたいと思います(笑)

安田

はーい。

金子

お願いしまーす。

栃尾

はい。えーと、飲食店経営の方からです。いつも楽しく拝聴させていただいております。私は関東で20店舗ほどラーメン点を経営している者です。

金子

えーっ!?すごーい。

栃尾

行ったことあるかな。

金子

ね。

安田

結構有名でしょうね。

栃尾

あ、そうですね、20店舗もあったら。

安田

はい。

金子

ねえ。

栃尾

今年から新卒採用を始めたのですが、びっくりするほど難航しております。人気がないのはわかっていたつもりでした。でも、実際に活動してみて、つながった学生がひとり、またひとり音信不通になると、毎日失恋しているようでメンタルがやられます。夢に見ない日はありません。街で見かける若い子は、みな新卒に見えてしまいます。かなり重症です。みなさまなら、新卒学生を採用するために、どんな戦略をとるでしょうか。また、安田さまは採用のご経験がお有りなので、過去にお手伝いした飲食店で、どういった施策をなされましたか。私も日々考えておりますが、ぜひ、みなさまからの視点からヒントをいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。ということでーす。

金子

かわいそうに、メンタルやられて(笑)

栃尾

(笑)ああ、これ、でも、メンタルやられるって聞くよね。聞きますね。

金子

あ、そうなんですね。

栃尾

うん。なんか読めないっていうか。

金子

そうか。

安田

うーん、でも、採用……もう忘れちゃいましたね。たしかに飲食店の採用、いっぱいやってきましたけど。

栃尾

(笑)へぇ~。

安田

「愛」をテーマにした採用とかもありましたしね。

栃尾

へぇ~。

金子

なんだそりゃ(笑)

安田

まあ、でも、当時とは時代がちがうっていうのもあるんで。僕が社会人になった頃ってね、「王将」の店長が年収1,000万超えてる時代で。

栃尾

ふーん。

金子

えーっ、すご!

安田

はい。リクルート社の求人のキャッチコピーが「さらば薄給のサラリーマン諸氏」みたい感じで、「安月給でがんばってね。俺たちは年収1,000万稼ぐよ」みたいなのだったりとかしましたけど。

金子

へぇ、すごーい!

栃尾

ちょっと嫌な感じで?(笑)

金子

ははは(笑)

安田

だけど、そういう、なんていうんでしょうね、収入が売りとか、独立が売りとか、自分で起業するとか、そういうのがやっぱ基本的に飲食店の売りではあったんですが。

栃尾

うんうん。

金子

イメージはそんな感じです。

安田

もうね、価格競争は厳しいし、現場は仕事しんどいし、独立するにも、いまはコロナもあるし。

金子

ああ、そうだ。

栃尾

ああ。

安田

「ネットでいまビジネスできる時代に、わざわざお店つくるのも」みたいなのもあるし。

栃尾

うん。

金子

うん。

安田

むずかしいっすよね。

金子

うん。

栃尾

そうかあ。

金子

新卒採用めがけているんですね。中卒じゃだめ?中卒じゃねーや、なんだっけ?(笑)

安田

中途採用?

金子

中途じゃだめなんですかね。

安田

いいんじゃないんですかね。

金子

ね。

栃尾

うん、たしかに。なんで新卒なんですかね。若いほうが、やっぱ育てやすいとかなんでしょうか?

金子

あ~。

安田

えーと、僕が昔、新卒を推してた頃はですね、新卒のよさは、まず、優秀な人材が紛れ込んでる可能性が高い。

栃尾

うん。

金子

なるほど。

安田

なぜかというとですね、就職したことがないんで。まあ、だいたい新卒で3割が辞めるって言われてたんですけどね、当時、2・3年で。

栃尾

うん。

金子

ふーん。

安田

ということは、7割は辞めないわけですよね。

金子

うんうん。

栃尾

はい。

安田

で、「辞めない人と辞める3割どっちが優秀かっていったら、やっぱり辞めない人ですよね」って言うと、当時は「ああ、そうだね」って、みんな納得してたもんなんですよ。

金子

ああ。

栃尾

うん、たしかに。

安田

つまり、優秀な人はマーケットにはいないと。育てるしかない。

金子

うん。

栃尾

うんうん。

安田

あとは「働いたことがないんで、社会常識とか自社のルールを教えやすいよ」とか、いろいろ切り口はあったんですが、もう時代も変わり、そもそも新卒ってなかなか辞めないっていうのが魅力だったんですけど、働いたことがないんで、「ああ、社会はこういうとこなんだ」って思ってくれたんですけど、いまはもうLINEとかFacebookとかでみんなとつながってるんで、「今日、うちの会社の社長が入社式でこんなあいさつしました」って書くと、「その会社辞めたほうがいいよ」ってみんなに書き込まれる時代なんで。

栃尾

はいはいはい(笑)

金子

ズルっ(笑)なるほど。

安田

まあ、だから僕も金子さんも同意見で、もう新卒採用にこだわらなくていいと思いますけどね。

金子

そうですね。

栃尾

うーん、なるほど。

安田

「新卒がいい」っていうこっち側の都合じゃなくて、「新卒だったら、うちで働いたほうがいいよ」っていう、向こう側の理由があるんだったら新卒でもいいと思うんですけど、もう、こっち側の都合では無理ですよね。

金子

うん。

栃尾

なるほど。

安田

あとは、新卒にかぎらず採用するときに、「飲食店だから」とか「ラーメン屋さんだから」っていうのは、とりあえず横に置いといて考えたほうがいいと思います。まず、「会社として、職場として、なにがあるの?」っていうことだと思うんですよね。

栃尾

はい。

金子

うん。そうですよね。

安田

はい。

金子

なるほど。そっかそっか。

栃尾

「働くと、こんないいことがあるよ」みたいなことですか?

安田

そうそうそう。たとえば、ラーメン屋さんのなかにアトラクションがあったっていいわけですし。

栃尾

はいはい。

安田

ね。週5日休んだっていいわけだし。

金子

うん。

安田

なにやったって自由じゃないですか、経営者なんですから。

栃尾

はい。なるほど。

安田

「ラーメン屋なんだから、これをやんなくちゃいけない」とか、「これはできない」とかって決めちゃうわけじゃなくて。

金子

うんうんうん。

安田

「もし、自分はこういう会社があったら夢のようだと思うなあ。自分でラーメン屋経営とかやめて、俺、そっちに就職したいな」みたいな会社をやりゃいいと思うんですよね。

栃尾

うん。

安田

ラーメン屋ありきで、「20店舗あって店開けなくちゃいけないから、この条件で働く人が必要なんだ」っていうところから考えるから、「そんな条件の人を出したくありません」ってなるわけなんです。

栃尾

うんうん。

安田

「店都合・会社都合で働いてくれ」っていうのは、もう無理があると思いますけどね。

金子

うん。

栃尾

そうですね。人手不足だし。

安田

はい。そうなってくると当然、働く側は、働く側都合で選ぶわけですから、条件のいいとこ行きますよね。

栃尾

うん。

金子

うん。

安田

当たり前っちゃ当たり前ですよね。

栃尾

はい。

安田

雇う側が雇う側の理論でいくんですから、働く側も働く側の理論で選びますから。

栃尾

はい。

安田

だけど、やっぱ忘れないでいただきたいのは、どんなに不人気って言われてる業界・業種でも、本当に採用に苦労してない会社・お店っていうのは、全国至るところにあるんですよ。

栃尾

お~、なるほど。

金子

そっか。そうですよねえ。

安田

はい。共通点としてはね、お客さんと働く人の差がほとんどなくなってるっていうことですね。

金子

えーっ!?

栃尾

えっ、どういうことですか?

安田

自分の会社とか自分の商品が大好きで、休みの日にも自分ちのラーメンを食べたいとかね。

栃尾

ほおほお。

金子

あ~。

安田

あるいは、ラーメン屋のお客さんだったんだけど、「ここのお店大好きだから、ここで働きたい」とか。

金子

いや、ちょっとわかるな。

栃尾

なるほど。ファンの人が?

安田

そうそう。だから、「お客さんはあくまでも神様で、こっちは神様をもてなす側で、裏方で」みたいになってくるから、しんどくなるわけで。

栃尾

うん。

金子

うん。

安田

同じなんですよね、人間相手なんで。

栃尾

なるほどなるほど。

安田

だから、お客さんを集客するのと同じ気持ちで、お客さんがある一定水準以上にお店を好きになってくれれば、「働きたい」とか、「自分の知り合いに、ぜひとも教えたい」とか、「うちの子どもを行かせたい」ぐらいな。

金子

うんうんうん。

安田

そのぐらい巻き込むものをつくればいいんじゃないですかね。

栃尾

うーん、なるほど。

金子

そういう意味じゃ商品開発ですか?ちがうか(笑)

安田

商品かもしれないし、接客かもしれないし。

金子

あ~、そうか。

安田

もしくは、本当にそれは単に手段であって、待遇とか働き方かもしれないし、なんでもいいんですよ。

金子

うんうん。

安田

だから、「もし仮にこんなお店があったら、こりゃすばらしいよね」っていうところから考えたらいいんじゃないですかね。

金子

いいですね。

栃尾

ふーん。

安田

やっぱりね、「お店の利益を上げるために、店舗を増やしつづけるために就職したい」なんていう人いませんから。

栃尾

そうですね。メリットないですもんね。

金子

うん。

安田

はい。お店が増えてうれしいのは社長だけなんで。あと、株主だけなんで。

栃尾

うん。

金子

うんうんうん。

安田

働く側にとっては「知ったこっちゃないです」と。いや、ほんとに。

金子

うん。

栃尾

うんうん。

安田

「お店が増えれば増えるほど、こんなにすてきなことが起こる」っていうことが社員にあればいいんですけど。

栃尾

たしかに。基本ないですもんね。

安田

上場してストックオプションがあるとか言われてもね、創業社長が手にする金額に比べたら、なきに等しいようなもんなんで(笑)

栃尾

(笑)

金子

うんうん。

安田

そうなんですよね。

栃尾

なるほど。

安田

ということで、このむずかしい難題に……

金子

むずかしいなあ。

安田

栃尾さんにズバッとまとめていただきます。

栃尾

(笑)

金子

よろしくお願いします!

栃尾

いや、あれですよ、働く人のメリットというか、「働くといいことがある」というのをなにか考えましょうということと、あと、他に採用に困ってない会社さん、飲食店というのは、お客さんと働く人に境目がないというのは、すごく大きなヒントかなと思いました。

金子

うん、すばらしい。

安田

お金とか休みだけじゃないですよね、本当に。

栃尾

うんうん。

金子

うん。

安田

だから、「なにが商品か」って考えるのと一緒ですよね。

金子

うん。

安田

「なにが採用の武器なのか」っていうのを、やっぱり考えないといけないですね。

金子

なるほど。

栃尾

はい。

安田

ということで、本日は以上です。ありがとうございました。

栃尾

ありがとうございましたー。

金子

ありがとうございましたー。


*本ぺージは、2022年6月1日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから

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安田佳生
境目研究家

 

 

 

栃尾江美
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金子亜祐美
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