その231 ルッキズムと復讐

「外見差別」ではそれほど騒がれなかったのに、「ルッキズム」になったらすごい流行しました。ネーミングってだいじ。

ルッキズム、とくに若い方には定着したといってよく、ある大手企業調査によると20代までの女性の7割近く、全体でも半分に認知されているそうです。

美容にガンガン投資して積極的に美のフィールドで戦う人もいるので、一概にはいえませんが、ルッキズムの否定的傾向もまた、若年層ほど高い傾向がみられます。ざっくり、ルッキズムが気になる、やだよね、と若者ほど思っているということです。

実際、この要素が生活に大きく影響するのは若いときですから、関心が高いのは当然です。一方で、社会文化の主役である若者に否定されても、じつはルッキズムは世の中にがっちりと根付いていて、簡単にどうにかなるものではありません。
そもそも若い人自身の多くが美に関心があり、惹かれ、価値を見出しています。そして美を商品として提供する側、対価を出して受け取る側にそれぞれメリットを生んでます。

経済価値を創出しているのですから、これは強いです。

美の価値観は時代で移動するかもしれませんが、美に価値があるという仕組みがあるかぎり、「美による差別化」は維持されます。

で、ちょっと不思議なんですが、若い人などがルッキズムを否定する態度、これは「反ルッキズム」です。代替となる新しい価値観が提案されているわけではありません。ルッキズムに傷つけられずに生きたい、という志向の呼称は、より専門分野に分かれて個別にはあるようですが、「これ」と指し示す決定的な一言にはまとまっていません。
形になっているのは「反ルッキズム」という方向性だけです。

そしてその本質とは、いわば「復讐」です。新しい世界を作るわけではなく、むしろ根本的な部分は変えられない。ルッキズムという見える敵を倒すことが存在理由であり、そこでできることはかなり済んでしまいました。

もしかしたらこれからは、美によって社会的価値に差があるという本音を隠せなかった人をラベリングする武器としてのみ、「復讐」がつづくのかもしれません。

 

 

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「ぐぐっても名前が出てこない人」、略してGGです。フツーのサラリーマン。キャリアもフツー。

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