約30万年前に誕生した現生人類であるホモサピエンス。つまり私たちの祖先は、基本的な骨格構造や内臓機能、DNAレベルにおいて現代人とほとんど違いがない。現代の服装に着替えさせればほとんど見分けがつかないとも言われている。つまり肉体的に劇的な進化が起きて現代に至ったわけではない。
石器を編み出し、火を自在に操れるようになり、人類は他の動物たちと明らかに一線を画するようになった。だが現代の私たちに比べれば大した差ではない。現代に通じる文明社会が始まったのはたった5,000年前のことである。時は紀元前3,000年ごろ。世界各地で一斉に文明的大爆発が起きた。
いわゆる世界四大文明と言われるものだ。メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、中国文明。そこに共通しているのは大河の存在である。農業や生活に欠かせない水が得られる温暖な大河の流域。それが文明発生の条件であったと言われている。だが大河は文明の本質ではないと私は思っている。
本質は「人間が一定量を超えて1ヶ所に集まったこと」である。各地で増え続けてきた人類が1ヶ所に集まることになった。それがたまたま大河の流域だったということ。もし全く別の条件によって人類が1ヶ所に集められたなら、そこでも文明は起きたであろうというのが私の個人的な仮説である。
人が集まれば、そこには「余計な」職業が生まれる。これは都心部と地方の商売を比べれば明白である。たとえば地方には中華と洋食を兼ねた飲食店が存在するが、都心部に行くほど専門化され、ハンバーグ専門店や北京ダック専門店まで存在するようになる。人が多くなるほどニッチな職業が増えるのだ。
商売は人が集まる場所でやる。それは長らく経営の常識であった。だがその常識をネットとスマホが変えた。今や裏通りでもお店は繁盛する。むしろ人が集まる場所はレッドオーシャンで儲からない。大河流域に店を出すことはもはや経営者の仕事ではないのだ。では経営者は何をやるべきなのか。
やるべきは順番の入れ替えだ。大河に向かうのではなく自ら人を集める。その環境はもう整っている。ネットに向かい「私のこだわり」「私の経験」「私の思想」を発信する。それが求心力となり人が集まる。集まった人に合わせて商品を作りビジネス展開する。人を集める役割こそが経営者の仕事なのである。
尚、同日配信のメールマガジンでは、コラムと同じテーマで、より安田の人柄がにじみ出たエッセイ「ところで話は変わりますが…」と、
ミニコラム「本日の境目」を配信しています。安田佳生メールマガジンは、以下よりご登録ください。全て無料でご覧いただけます。
※今すぐ続きを読みたい方は、メールアドレスとコラムタイトルをお送りください。
宛先:info●brand-farmers.jp (●を@にご変更ください。)
















