131通目/安田からの返信 「答えのベースとなるもの」
質問する側が主導権を握る。なるほど、そういう一面もありますね。質問は対話における攻めですから。そして回答は守り。将棋に例えるなら先手と後手でしょうか。確かに先手は有利です。でも絶対とは限りません。受けが鋭ければ立場は逆転します。私は初対面では受けに回ります。相手の質問に答えるというやり方です。答えに窮すればこちらの底を見透かされます。答えにキレがあればこちらのペースになります。私はあらかじめ答えを用意しません。その場で考えます。でも準備しないわけでもありません。常に自分に対して質問し、考え続けることによって答えのベースをつくっています。大事なのは自分への深い質問。そして自分との深い対話ですね。
前回130目/大野「そもそも質問にどんな力が備わっているのか」
この文脈が決定的だというのがつかめて来ると、おっしゃる通り違いが生み出しやすいですよね。同様に質問もすごくパワフルです。なぜ、質問する側が結果的に会話の主導権を握るのか?そもそも質問にどんな力が備わっているのか。質問はまず可能性を拓くという要素がある。また相手がどのように知覚して、それをオーガナイズしているのかを見つける事を助けてくれる。またピントをどこに合わせているのかもうかがい知れる。同時に時制。勿論、記憶にもアクセスできます。そして、様々な状態を経験できるし、それを強化したり、弱めたりもできる。つまり質問が持つ前提が情報を形づくる。質問する側が相手の情報処理の仕方を形づくっている訳です。
ー大野より
前々回129通目/安田「これは深いです」
なるほど。確かにいますね。やたらポジティブな言葉を使いたがるけど実はネガティブな人。それは文脈を見れば明らかだと。これはきっと言葉どおりの文脈ではなく「人生の文脈」が大事ということでしょうね。どうやってその言葉にたどり着いたのか。その言葉の裏側にどういう想いとストーリーが込められているのか。同じシーンで同じ言葉を使っても、人によってその重さも意味も違います。それはきっと人生の文脈が違うからなのでしょうね。そう考えると、やはり重要なのは人生の意味を読み解くことですね。自分の人生がどういう文脈で出来上がっているのか。そこを理解する。その上で使う言葉を吟味してチョイスする。これは深いですね〜。
ー安田佳生より
交換日記をする二人