人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第13回 従業員満足度を下げる感情との向き合い方

藤原さんは「従業員満足度を下げる四つの本質」という小冊子を出されていますが、今回はその内容についてお聞きできればと。

ありがとうございます。これは「内的報酬・外的報酬」「正論に気をつけよ」「朝礼と部会の違い」「信頼しているよ、という声掛けは意味がない」という<従業員満足度を下げる四つの本質>について書かせてもらったものです。

そうそう。どんな仕事をお願いするのか、誰とどういう連携をとってほしいのか、そもそも何のためにこの仕事をするのか、ちゃんと伝える必要があります。その上で、「だから君が適任なんだ。君のこういうスキルや実績を信頼しているから」と、そういう順番なわけで。

なるほど。従業員満足も奥さん満足も共通していると。藤原さん、「従業員満足度研究所」だけじゃなく「家族満足研究所」もできるんじゃないですか?(笑)。

笑。ともあれ、旦那さんが奥さんの体調や機嫌を気に掛けたり、子供の進路を一緒になって考えたりする家庭って、やっぱりうまくいきますよね。会社経営者もそういう風に、家庭を守る家長のような振る舞いをすればいいんですかね。

もちろんです。仕事に対する価値観が合っているか、カルチャーフィット(企業文化や風土がマッチしている状態)できそうかは、すごく意識しますね。とはいえ人間は変わっていくものなので、入社後に志向が変わることも想定していますけれど。

なるほどなぁ。ある程度のバッファを設けておくわけですね。ではちょっと話を戻して、「従業員満足度を下げる四つの本質」の中からもう一つ。「正論に気をつけよ」というのがあるんですが、これはどういうことですか?

ええ。でも経営者からすると「なんで正しいことを言っているのに伝わらないんだ」「どう考えても私が言っていることの方が正しいのに」となってしまう。実際、お付き合いのあった経営者さんにそういう相談をよく受けてましたから。

SNSを眺めていると「給料も人並み以上に稼いで、子育ても幼稚園の送り迎えもして、家事だって手伝ってる。なのに奥さんに文句言われるのはおかしい」みたいな投稿を見かけます。確かにそれも「正論」なんですが、奥さんからすれば問題はきっとそこじゃなくて。

そうなんです。だからこそ、相手が何を感じているかにしっかり意識を向ける必要がある。今回お話しさせてもらった「信頼しているよという声掛け」「正論には気をつけよ」のいずれも、要するに「相手の気持ちを考えましょうね」ということです。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。