その30 会社員 vs サラリーマン

もし前回を読まれていたら申し訳ございません。
個人的に、
「カイシャに縛られるなんてダルすぎ。
自分のライフスタイル優先でQ.O.L高く過ごす会社員生活」
みたいな昨今の風潮には疑問をもっている、
という話をしておりました。
というか無理だと。
無理だといっておいていいっぱなしでした。

でまあ、仮に、
フリーランス的な、仕事でつながる理想化された会社というものが
成立するとすれば、各人が受けもつタスクというのは
最適化されたものであるはずです。

しかし見た目や知名度をそっちのけにして
内面がバキバキに尖ったカッコイイ会社であるならわかりませんが、
世間凡百の会社(当社比)というのが純粋な価値創造以外のパートに
多大なエネルギーを燃やしているということは
みなさまこれでもかというほどご存じの通りです。
あるいはそちらを回していくことを本業とする方々の割合も高いです。
会社組織の本質がそういうものであるのでしょう。

フリーランスが仕事だけでつながれているのは
めんどくさい契約が不要だからに他なりません。
社保やら福利厚生やら環境整備やらなんやら、
有形無形のメリットを享受しているのが会社員ならば、
それ以外の部分が他の形態と同じというわけにはいかないわけで。

だからこそ、
組織のデマンドがあっての個人のタスクであり、
それが個人にとっていちいち意義を感じられる、
うれしい・たのしい・だいすき な内容であるかどうかは無関係なのです。

一方で、自分にはやりたい業務など特になく、
デマンドに応じることで会社員契約が遂行されればそれでいいというタイプの
「自分ファースト、仕事セカンド」の方も多くいらっしゃることでしょう。
その場合は
タスクが軽いほど提供する仕事のコスパが上がるということですから
「やらないほどに得をする」ということになります。
やりたがらない人もいれば、もちろんきちんとやってくれる人もいる。
仕事の質はあてにならない個々人の差配に依存することになるのです。

労働の法整備が進み、ハラスメントが監視される昨今ですから、
ある意味、令和の会社員にとっては追い風の時代ではありますが、
温存されつづけている「やらない得」を
消極的権利と気づいて能動的に活用しまくる会社員がいたとして、
それはかつて会社の後ろ盾をいいように利用していた
昭和のダメなサラリーマンとなにが違うのでしょうか。

……新入社員に社会の入口あたりを説教するオッサン状態まるだしで
まことに恐縮です。

 

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著者自己紹介

「ぐぐっても名前が出てこない人」、略してGGです。フツーのサラリーマン。キャリアもフツー。

リーマン20年のキャリアを3ヶ月分に集約し、フツーだけど濃度はまあまあすごいエッセンスをご提供するカリキュラム、「グッドゴーイング」を制作中です。

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