【vol.179】「パンデミック後の世界」スキルアップ

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


「パンデミック後の世界」についてのForbesの記事を読み込んでいます。

今回の記事はこれ

7 Trends For Adapting To A Post-Pandemic World
パンデミック後の世界が順応すべき7つのトレンド
https://www.forbes.com/sites/forbesagencycouncil/2021/07/07/7-trends-for-adapting-to-apost-pandemic-world/?sh=688f5c364a4f

パンデミック後に向けて世界の基本的なトレンドは下記の7つのポイントで整理されます。

・The Wellness-First Workplace
・Brand Stands Or Purpose-Washing?
・Brand Bonding Experience
・Upskilling Vs. Hoarding
・Hyper-Local Future And Hygienic Demands
・Isolation Yields Togetherness
・Zero Waste As The New Necessary

今週はこれです。

Upskilling Vs. Hoarding
スキルUP vs 買い溜め

Brands that are helping people upskill are winning. During the pandemic, 87% of people took up new hobbies and activities.

人々のスキルアップを支援しているブランドが勝っています。
パンデミックの間、87%の人が新しい趣味や活動をはじめました。

パンデミックで9割が新しい趣味や活動を始めたんですね、ほぼ全員ですよね、この割合って。
自分は「何か新しい趣味を始めただろうか?」と問いかけたくなりますね。。
全体的に経済活動が縮小したかのように見えたパンデミック下で、ポジティブに拡大方向に変わったのは「趣味のマーケット」ということですね。

なので、冒頭のタイトルにある「スキルUP vs 買い溜め」という文脈で言うと、
「何を買ったのか?」とか「何を買い集めたのか?」ではなく、「それを使ってどのようなスキルアップが出来たのか?」とか「それを使ってどんな活動を始められたのか?」によって、それを売っているブランドの価値が判断される時代になったよ、ということですかね。

One way to apply this trend is to assume you’re not just selling product, but instead sell advice. What advice could your brand credibly supply to consumers? Can you make them better cooks, investors, drivers, readers, artists? Enable consumers to better themselves and acquire new skills.

こうした傾向をうまく活用するために、ブランドは単に「製品」を販売するだけでなく、「アドバイス」を販売することを考えたほうがよいです。
「自社ブランドが消費者にどんなアドバイスを提供できるのか?」
「自社ブランドは消費者を、より良いシェフ、より良い投資家、より良いドライバー、より良い読書家、より良いアーティストに仕立て上げることが出来ているのか?」
消費者が自分自身を向上させて、新しいスキルを習得することをブランドが手助けするのです。

従来であれば気に入った「製品・モノ」をお手元に届けること(丁寧に・スピーディーに・ストレス無く)によってブランド価値を確実なものにしてきたのだと思います。
今後は「製品・モノ」を通じて、生活が変わったり、新しい活動を始めたり、続けたりするところまで「アドバイス・コーチング・支援」できて初めてブランドが確実なものになる、という感じでしょうかね。

シンプルに解釈すると「ただの売り手」と「ブランド」の違いは
□売り手=商品を売る→消費される
□ブランド=商品を売る→使えるようにしてあげる→生活を変えてあげる→感謝される
という感じですかね。

ということは、ポストパンデミックの時代には
□コストとスピードに徹底的に拘って「売り手」としての激烈な競争を勝ち抜く
□商品を売った後に「生活が変わるまで帯同」してあげて「ブランド」として感謝される
という大きく2方向の「生き抜き方」がある感じですね。
ちなみに、前者なのに後者の要素も包含してしまったのがAmazonですかね。。。
結局、結論がいつも似てきてすみませんw

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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