【vol.202】HR領域の2022年のトレンド「メンタルヘルスとレジリエンス」

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


先々週から、2022年最初のテーマとして「HR領域の2022年のトレンド」を取り上げています。
シンガポールと香港で有名「らしい」HRのサイトから引っ張ってきました。

今回の記事はコレ

HR in 2022: 7 key trends that will affect employee experience (and how to address them)
従業員エクスペリエンスに影響を与える7つのキートレンド(2022年のHR)
https://www.humanresourcesonline.net/hr-in-2022-7-key-trends-that-will-affect-employee-experience-and-how-to-address-them

7つのトレンドは下記の通りです。先に提示しておきますね。

Trend #1: ‘New Work’ will manifest in new and unexpected ways
Trend #2: The talent war is quickly becoming a ‘zero-sum’ game
Trend #3: Employee mental health and resilience will propel growth
Trend #4: HR will become decentralised, spurring new management skills
Trend #5: Diversity & inclusion will be a major competitive differentiator
Trend #6: People analytics will fuel buy-in for HR policies and change
Trend #7: New productivity KPIs will be needed to assess employee performance

引き続き、トレンドを読み込んでいきます。

Trend #3: Employee mental health and resilience will propel growth
従業員のメンタルヘルスとレジリエンスが企業の成長を促進する

In 2022, mental health and resilience will no longer just be buzzwords. Companies will be forced to invest real money in uplifting employee wellbeing and ensuring that they stay resilient and confident in the face of new challenges and opportunities.

2022年には、メンタルヘルスとresilience(レジリエンス)が「単なるバズワード」ではなくなる。
企業は、従業員のwellbeing(ウェルビーイング)を向上させることと、従業員が新しい挑戦や機会に直面した際にもregilient(回復力のある)で自信を保ち続けられるように、資金を投入せざるを得なくなっている。

これまでも何度も出ていますが、今回もresilience(レジリエンス)というビッグワードかつ頻出単語が出てますので、過去の記事から意味を引用しておきます。

Resilience(レジリエンス):回復力
「回復する力」とか「立ち直る力」とか、そういう意味合いです。
本文中にはmental resilience(精神的な回復力)という表現があります。
コロナ禍で「精神的にダメージを受けても自分自身で回復させる力や手法を持っているかどうか?」が試されてますよ、という意味合いです。
(https://brand-farmers.jp/blog/gp_164/)

で、この「Resilience(レジリエンス)」が、単なる流行り言葉ではなくなり、企業が「お金を使って担保しなければならない」投資の対象となっていくよ、というのが主旨ですね。

HR部門がするべきことが2点提案されています。

1. Build a climate of psychological safety
psychological safety(心理的安全性)のある企業風土を作り上げる

Psychological safety(心理的安全性)は、2022年のビッグワードだと思います。簡単に言うと「職場で安心して振る舞えたり発言出来たりする状態」のことです。psychological safety(心理的安全性)が低い職場は、生産性の低い職場と同義になることが増えるでしょう。
「psychological safety(心理的安全性)の高い職場」と「仲良く雰囲気の良い職場」の“違い”を『仕組み』に落とし込んで運用できるHR施策が求められるのかもしれません。

2. Craft policies for stress mitigation
stress mitigation(ストレス軽減)のための施策を作り上げる

Resilience(レジリエンス)を意図的に形成するためには、HR部門が意図的に『仕組み」としての“メンタル回復施策”を講じる必要がある、ということですね。ワーケーションとかリフレッシュ休暇とかがよくある事例となります。
ただ、一部研究によると「Resilience(レジリエンス)を向上するためには、休暇ではなくトレーニングが効果的だ」とのことです(汗)
こうした研究結果を盾に「Hard Workを推奨」してしまうと、ボヤでは済まない火災に発展する今日このごろなので、難しいところですね。。。

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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