日曜日には、ネーミングを掘る #043 DuckDuckGo

今週は!

新年は、初尽くしの月。

初日の出、初空、初富士、
初詣、初便、初笑、初売…と
俳句の季題集のなかも
たくさんの「初」で溢れています。

で、今年のお正月に
ちょっと思ったのが
「初検索」という季題があっても
いいんじゃないかということ。

いまやコンビニに行かない日はあっても、
検索しない日はないよな~と思うほど、
私たちの日常の一部になっています。

検索の世界で圧倒的な存在が、
検索エンジンの全世界シェアの
9割以上を占めるGoogleちゃん
まさに一人レッドオーシャンの状態です。

そんな巨人に対して、
近年急速に利用者を増やしている
エンジンがあると聞いて、
掘ってみたいと思ったのが
今回のタイトルであるDuckDuckGoです。

こちらが検索ページですが、
支持されている理由は、
検索窓の下の一行にあります。

そう、DuckDuckGoは、
「あなたを追跡しない」検索エンジンなのです。

このコンセプト、
Googleに対する
小さなブルーオーシャン的で、
私はとても好きなのですが、
興味を惹かれるのは、
なぜDuckDuckGoという名前なのか
ということです。

「馬鹿らしい」と評されることもある
ネーミングですが、ファウンダーの
ガブリエル・ワインバーグは、
Hacker Newsというメディアの
インタビュー(2009年6月)で、
このように由来を語っています。

「duck duck gooseという(ハンカチ落としに似た)遊びがありますが、何か関連性はあるのですか?」

「いや。ほんとに、ある日ぱっと思い浮かんで、それが気に入っちゃったんだ。確かにduck duck gooseの影響は受けているけど、何かのメタファーといった深い意味合いはないんだ」

面白いなぁと思ったのは、
答えのなかにある
「ぱっと思い浮かんで」というところです。

この感覚、
じつはネーミング開発にはよくあることで
私は「降りてくる」という言い方をします。
空から頭のなかに
すとんと落ちてくる感覚ですね。

もちろん,これだ!というネーミングは
闇雲に降りてくるわけではなく、
そのことについてずっと考え続けて、
思案と直感がリンクしたときに、
はじめて降りてきます。

降りてくるタイミングはいろいろで、
課題を聞いてから1日目ということも、
1か月後ということもあります。

尤も、それを口実にして、
締め切りを伸ばしてもらうことも
ないとはいえません。

「ごめんねぇ。まだ、降ってこないんだよ」

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