このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。
未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。
ー 第61回 「潜在ニーズの顕在化」
ついにこの時が来てしまいました。
ゴルフレッスン中、自分のスイング動画を確認していた時に気づいたのです。
「あれ、俺ハゲてる・・・」
ティーチングプロのアドバイスなんか全く耳に入らなくなりました笑。
八重田家は、じいちゃんも親父も、頭頂が薄くなる「てっぺんハゲ家系」。いつかはこの時が来ると覚悟していましたが、ついに始まりました。まだ少し薄くなった程度ですが、ゆっくりと、でも確実に進行することを、親父たちが証明しています。
世の中にある、手っ取り早い対策は育毛剤でしょうか。他にも最近ではAGA治療がはやり始めているようです。昔からあるのはカツラで、カツラに関連する知財も多く登録されており、例えばこんな意匠があります。
意匠登録第1653794号(意匠権者:株式会社アデランス)
【意匠に係る物品】かつら用ベース
未来コンパスが指すミライ
ところで、皆さんがカツラの営業担当で、売上を3倍にするミッションが与えられたら、どんな戦略を練りますか。
AGAスキンクリニックによると、薄毛に悩む20歳以上の男性は1200万人、育毛剤・発毛剤・トニックシャンプーを1度でも使ったことがあるのは2700万人です。ちなみに、AGA治療を検討したことのある方も約20%いました。このような状況で、あなたは誰をターゲットにして、どんなアプローチを取りますか?
薄毛に悩む人全体をターゲットにしますか?予防をしたことのある人ですか?それとも治療をしている人ですか?
アデランスのある営業の方は、「カツラを買ったことのある既存顧客」をターゲットにしてダントツ営業No.1になりました。その手法は、地毛に対するカツラの不自然さを伝えるものでした。
地毛の場合、髪が伸びることもあれば散髪直後で短い時もあるのに対し、カツラは、1ヶ月たっても2ヶ月たっても変わらず同じ髪型です。この違いを顧客に認識させて、長さの異なるカツラに対する購買欲求を顕在化させたのです。
「隠れたニーズを顕在化させる」と聞くと、商品を買ったことのない新規顧客へのアプローチと思われがちですが、既存顧客であっても、もっと言えば同じ商品であっても、ニーズが眠っていることが分かります。
私の経験上、買う気がないと思っていた商品のニーズに気づかせてくれたら、まず間違いなく、その人から購入します。同業他社と比較されることが当たり前の時代に、これは大きなポイントです。
皆さんのビジネスでも、既存顧客の眠ったニーズを探ってみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
八重田 貴司(やえだ たかし)
外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。
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