第119回「ルンバ買収」

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 第119回  「ルンバ買収」

気になるニュースを1つ。アマゾンが掃除ロボット「ルンバ」のアイロボットを買収すると少し前に発表しました。この買収は、ユーザーに更なる利便性をもたらすでしょうが、私は同時に怖さも感じています。

ルンバは、進入禁止エリアの設定や指定エリアの掃除をするために、カメラやレーザーといった各種センサーを搭載し、部屋の間取り図を作成する機能が備わっています。最新モデルになると、インターネット接続ができ、取得した画像データ等をサーバーに送信することも技術的には可能です。

ところで、アマゾンのインターホンを紹介した第11回「再配達が減るミライ。そこから生まれるサービスとは?」を記憶している方はいるでしょうか。センサー内蔵型インターホンで、訪問者を検知するとスマホに通知がされ、ユーザーはリアルタイムでビデオ通話が可能となるというものです。アマゾンにとってみると、訪問者データの取得が可能であることを意味します。

アマゾンは、e-comサイトでユーザーのショッピングデータを収集し、インターホンで訪問者データを入手し、Alexaで自宅内での行動データを取得しています。ルンバを自社ポートフォリオに加えたことで、ユーザー住宅の間取りや家電・家具の様子まで手に入れられるようになりました。

先日、ワイドショーがマイナンバーカードの普及は監視社会の始まりだと報道していましたが、それ以上の監視・プライバシーの問題が起きる素地ができつつあるように感じます。
ネット検索していないのに、壊れかけのテレビ買替えの広告が出てきたり、古いエアコンの下取り広告が表示される、なんてことが起こるミライになってしまうかもしれません。

 

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 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

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