第21回 マハロコファミリー、マハロココミュニティ

この対談について

「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。

第21回 マハロコファミリー、マハロココミュニティ

安田

岩上さんの話を聞いていると、本当にユニークと言うか、一般的な美容院とは全然違うなぁと感じることが多くて(笑)。一緒に働かれているのもそういうユニークな方たちなんですか?


岩上

そうかもしれません(笑)。最近のウチは「独立支援」的なスタンスで採用も行っているので、「自分の店舗を持ちたい」「自分で事業をやっていきたい」という人が集まっていまして。そういう意味でもユニークな人が多いかもしれない。

安田

なるほど! いいですね。ちなみに「美容院以外」の事業を目指していた方もいらっしゃったりします?


岩上

ああ、いましたいました(笑)。「将来パン屋さんをやりたいから、ここで修行させてほしい」という人が働いていたこともありますよ(笑)。

安田

え、パン屋さんですか!(笑)どうして美容院で働きたいなんて言うんでしょう。


岩上

まぁその方も最初は美容室のお客さんで、「趣味でパン教室に通っているんだけど、自分のパン屋をやってみたい」って相談を受けたんですよ。よく考えたらウチの店、カフェとしての営業権も持ってたんで「じゃあここでやっちゃう?」みたいな(笑)。

安田

なんと(笑)。すごく岩上さんらしいエピソードですね。それで、実際に雇用されたんですか?


岩上

はい、雇用しました。ちゃんと社会保険にも加入させて。カフェスペースにパンづくりができるような設備なんかも作ってあげましたね。

安田

うーん、それ、美容室の隣ってことですよね? 美容室の中までパンの匂いが充満しなかったんですか?


岩上

それがいいんですよ(笑)。お客様もカットやパーマをしながら「あら、いい匂い」なんて言っていて。で、帰りがけにお土産でパンを購入してくれる、という相乗効果もあって(笑)。

安田

なるほど〜。美容室帰りのお土産が焼きたてパンだなんて、面白いなぁ(笑)。そういえば、そのカフェスペースにコーヒーだけ飲みに来る方がいるって仰っていませんでしたっけ?


岩上

いますいます。お友達との待ち合わせ場所にしていたり、商談スペースとして活用したり(笑)。結婚式の二次会やパーティーなんかもやれますし、基本的に自由に使っていただいてOKなスペースです。

安田

うーむ、もはや何屋さんなのかわからなくなりそうです(笑)。


岩上

そうですね(笑)。まぁお客様に対するサービスの幅が広がれば、それでいいんです。ちなみに僕の長女と次女が、この場所で英会話教室とネイルサロンをやっているんですよ。

安田

あ、そうなんですか!


岩上

『マハロコイングリッシュクラブ』という英会話教室なんですけど、美容室のお客様のお子さんもたくさん通ってくれていますね。「ネイルに興味がある」というお客様には次女を紹介することもありますし。

安田

美容室を起点にして、いろいろなサービスを受けられるんですね。


岩上

そうそう。美容室の顧客に「この子はこういう仕事でやっていきたいそうなので、ご支援よろしくおねがいします」なんて紹介もしやすいですし。

安田

ははぁ、それが冒頭仰っていた「独立支援」という話にも繋がるわけですね。でもですよ、独立する方にとってはありがたい話ですけど、結局みんな卒業していっちゃうわけで。岩上さんには何のメリットがあるんです?


岩上

うーん、前提として「それが楽しいから」ではあるんですけど、敢えてビジネス的な意味でのメリットを挙げるなら、コアなお客様の流出が少なくなることですかね。僕がスタッフの独立支援をしているのを間近で見てもらえるから、そういったスタンスを気に入ってくださった方は、簡単には他のサロンには移らないんです。

安田

なるほどなぁ。確かに岩上さん自身もそうだし、お店も唯一無二な感じがしますもんね。ちなみに自分たちの魅力を敢えて言葉にするとしたら、どういうところになると思いますか?


岩上

そうですね。僕は社名を『株式会社オハナ』とするくらい、家族を大事にしているんですよ。

安田

オハナってハワイ語で「家族」という意味だって、以前教えていただきましたね。


岩上

そうですそうです。で、僕の中の優先順位の1番目が家族。そして一緒に働くスタッフも、それと同じ位置にいるんです。だからスタッフにも家族と同じように愛情を注いでいるのが、きっとお客様にも伝わっているんじゃないかな。

安田

なるほど、つまり「家族感」というのがマハロコの魅力だと。


岩上

そう思っていただけていたらいいなと。元スタッフがやっているお店を宣伝したりもしますし、お客様同士がコミュニケーションを取れるイベントもやっていたりします。だから美容室を中心に1つのコミュニティが作られている、というイメージですかね。

安田

それはもう、マハロココミュニティと呼べますよ(笑)。いやぁ、聞けば聞くほど、マハロコって不思議で魅力的な場所です!


対談している二人

岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表

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美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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