第5回 失敗しないための「プロ」の見分け方

この対談について

住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。

第5回 失敗しないための「プロ」の見分け方

安田
前回のお話では、中小企業こそ外部スペシャリスト、つまり「プロ人材」を活かしていった方がいい、ということでしたね。外部のプロ人材を使う上で何か注意点はありますか?

渡邉
実は「プロっぽい人」と「プロ」ってかなり差があるんですよ。「できそうな人」と「できる人」の違いというか。だからまずはその方が本当にプロなのかを見極める必要がありますね。
安田
確かに「できそうな人」と「できる人」って全然違いますもんね。私も過去に採用で「できそうな人」を採ったら、実際には「できない人」だったという失敗を何度もしました。その見極めはどうやってするんですか?

渡邉
ノウハウはいろいろありますが、わかりやすいのは過去の実績について聞くことですね。それも相手の話をただ聞くのではなく、経緯や背景、プロジェクト内容などについてガンガン質問していく。
安田
なるほど。「できない人」だと質問には答えられないということですね。とは言えやっぱりその見極めは簡単じゃない気がしますけど。

渡邉
まあ、スキルや知識については先ほどの方法である程度わかるんです。でも実は一番重要かつ厄介なのは「人間性」なんですよね。安田さんも昔ご苦労された部分だと思うんですけど…
安田
そうですね。いま思い出すのは、昔採用した「マーケティングのプロ」の話ですね。

渡邉
ああ、やっぱり。僕もその話を思い出してました。
安田
前の会社で年収2000万だったっていう人を、年収800万円で採用したんですよね。採用した直後、「こんなこと言ったら落とされると思って言えなかったんですけど、実は年収8000万だったんです」って言われて、「なんていい買い物をしたんだ」と喜んでいたんですけど、結果から言えば全部ウソだった。

渡邉
ミックジャガーと友達だとか、女優の誰それが今家でトレーニングしてる、みたいな話ばかりして。
安田
そうそう(笑)。その時はすっかり信じちゃってましたけど、まあ、年収8000万円が年収800万円で採用できるわけないんですよね。

渡邉
つまるところ、スキルや知識以前に「人間性」に問題があったってことですよね。
安田
そのスキルや知識についてもね、「できないことの証明」は非常に難しいんですよね。だからその彼についても、入社後に「あれ、なんかおかしいぞ」となったものの、辞めてもらうまでには結構な時間がかかって。

渡邉
そうでしたね。まあ彼は特殊なケースだとしても、「具体的に業務を任せてみないとわからない」っていうリスクはどうしてもあります。
安田
ええ。採用する側、あるいはプロ人材を使う側としてはそこが心配なんですね。そういう意味ではランリグさんの「その道のプロ」事業なら、想定した働きをしてくれない場合は別の人に変えてくれる。そこがポイント高いなと。

渡邉
ありがとうございます。そもそも「その道のプロ」の中には、弊社や弊社のクライアントと過去に取引実績があって、ちゃんと成果を出している人が大勢います。そういう意味でもリスクはかなり低いと言えますね。
安田
なるほど。既に成果実績のある人を紹介してくれると。それは安心ですね。

渡邉
ええ。プロ人材って「やってもらうまでわからない」のは事実ですが、逆に言えば「やってもらえばわかる」わけで。それをまずは弊社や弊社クライアントで確かめて、信頼できると思えた人だけを紹介するというシステムです。
安田
素晴らしいなあ。私もそういうサービスを使っていれば騙されなかったのに(笑)。それはそうと、私は「本当に仕事ができる人を年収1000万円以下で雇えるはずがない」と思っていて。

渡邉
仰る通りだと思いますよ。
安田
ですよね。そう考えると、現在または前職での年収が1000万円以下の人って、その時点で「できない人」なんじゃないかと。

渡邉
そうですね。本当に「プロ」と呼べる人たちは、1000万円どころか1500万円、2000万円くらいもらってるケースも多いので。年収というのは一つの基準にはなりますね。
安田
スキルや知識、そして人間性、年収。他にはどんなところを見ればいいですか?

渡邉
これは見極めポイントとは少し違う話ですが、外部人材を入れることで起こりうるリスクというものがあります。例えばログイン情報を全部持っていかれるとか、社員を先導して労働基準局に駆け込まれるとか。そういう事をしない人材かどうかというチェックは必要ですね。
安田

なるほど。確かにそんなことになったら目も当てられないですね。でもそれってどうチェックするんです?


渡邉
細かい部分は企業秘密ですが、SNSは一つの情報源ですよね。どんな発信をしているのか、どんな人とつながっているのか。「裏垢」と呼ばれる裏アカウントの発言もチェックできるツールも持っています。そのツールは「その道のプロ」の基本サービスに盛り込む予定です。
安田
へえ、すごいですね。

渡邉
あとは当然、プロ人材登録の際には面接をしています。実際に会話しながら、「面接のプロ」が見極めるわけです。
安田
へえ。「面接のプロ」は具体的にどこを見るんですか?

渡邉
いろいろありますが、特徴的なのは実績の深掘りですね。経歴書を見ながら具体的な質問をどんどんしていくわけです。本当にお手伝いしてなかったら答えられないですからね。
安田
掘ってるうちに違うことが出てきたり、整合性がなかったり。

渡邉

そうそう。嘘とかハッタリって結構わかるので。場合によっては、そのプロ人材と付き合っているクライアントにヒアリングを行ったり、SNSでつながって聞いたりすることもありますね。

安田
徹底してますねえ。ちなみにマーケットや商材との相性ってあるものですか?本当にすごい営業マンはどんなものでも売れる、みたいな話はよく聞きますけど。

渡邉
うーん、まあ、僕もそこそこ何でも売れるタイプではあるんですけど(笑)。でも、多くの方は相性の合う合わないがあるでしょうね。実際に何でも売れる営業マンなんて、1%もいないと思います。
安田
1%どころか0.01%もいないんじゃないかって感じです。

渡邉
そうですね。「日本全体で100人」くらいのレベルだと思います。だからこそ、その会社のマーケットや商材と相性のいい人を見つける、というのが重要になってくるんです。
安田
確かにそうですね。ランリグさんの「その道のプロ」は、そこにこだわってマッチングをしてくれると。

渡邉
そういうことです。プロ人材が登録しているプラットフォームもいくつかありますが、マッチするプロ人材を探すのってけっこうスキルが必要なので。
安田
なるほど。では次回は、「その道のプロ」のマッチングについて、さらに詳しく聞いていこうと思います。

 


対談している二人

渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役

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1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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