その112「経験の差が出るのはどの局面なのか?」

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なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。

「経験の差が出るのはどの局面なのか?」

「GGG(トリプルジー)」って知ってます?
なんかの暗号みたいですけども・・・
「GGG」というのは、Gennadiy Gennadyevich Golovkin(ゲンナジー・ゲンナジービッチ・ゴロフキン)の略です。
興味ない方にとっては「何それ、美味しいの?」って感じですが・・・人の名前です。

先日、日本人ボクサーでミドル級の世界チャンピオン、村田諒太選手の試合がありました。
彼はミドル級(154ー160ポンド (69.853 – 72.575kg))という日本人ボクサーとしてはかなり大きい階級の選手です。
この階級になってくると、身体の大きな外国人ボクサーの層が厚く、実は日本人がチャンピオンになった階級としてはミドル級が最重量の階級なのです。
ミドル級の日本人チャンピオンはYOUTUBEや『ガチンコファイトクラブ』でお馴染み!?竹原さん以来22年ぶり二人目のチャンピオンになった村田選手しかいません。
そのため、村田選手の試合は注目されることが多いのですが、今回他にも注目の理由がありました。
ボクシングにはいくつか団体があって、各団体のチャンピオンが統一戦を行うことがありますが、先日の試合は、村田選手とGGGによる2団体統一の世界チャンピオン決定戦だったということです。
コロナの関係で決まりかけた試合が流れたり、ファンはもちろん、村田選手ご本人もやきもきする状況だったわけです。
そして、このGGGという選手、レジェンドクラスの世界チャンピオンでして、世界的に超有名ということ。
これは30年以上前にマイク・タイソンが日本に来て試合した以来ってくらいの出来事なんです。
ちなみに、GGGは、プロアマ合計で400戦くらいしていますがKOやTKOによる負けはありません(汗)・・・はい、化け物です。
そんな怪物チャンピオンとの一戦ということで、世界中からも注目が集まりました。

結果は、村田選手が第9ラウンドにダウンをとられ、直後にセコンドからのタオル投入で、TKO負けでした。
結果だけ見ると、GGGが圧倒したようにも感じますが、実は村田選手もかなり良い動きをしていました。
僕も「もしかして!?」と期待をしました。
ところがラウンドが進むにつれて、GGGは村田選手の狙いや癖を見抜き、ガードの隙間からパンチがねじ込み、的確にダメージを蓄積して、村田選手の動きを止めていったのです・・・

・・・すいません、格闘技好きなんで、ついつい(汗)

なにが言いたいのかっていうと、ラウンドがある程度進むと、GGGのペースになっていく様子を見て、両者に「経験の差」というものを感じたってことです。
彼らボクサーにとっては、この一戦は最も重要な仕事なわけですよね?
「仕事において経験の差が勝敗を分けた」って考えたとき、僕はゾクッとしました。
ボクシングに限らず、一般的な仕事、例えばオフィスワークや飲食業でも、陶芸家でもなんです良いんですが、「経験」って大事だな、と。
そして、その経験の差が顕著に出る局面って、「トラブル」のときじゃないかな!?って。
GGGは村田選手の作戦によって、ボディを攻められるなど、前半は思うように戦えませんでした。
つまり、GGGにとって、仕事上のトラブルが発生したわけです。
そんな中でも彼やセコンド陣は、こういうトラブルに対しての打開策が経験からわかったのでしょう。
結果、その窮地を脱し、今度は村田選手が追い込まれる番となります。
しかし、村田選手は降りかかるトラブルを回避する、収めることができずにダウンを喫します。
降りかかるトラブルがGGGの殺人パンチっていうのが、もう恐ろしすぎるんですけども・・・(汗)
その両者を見て、「経験の差」を痛感したのです。

平時には経験の差ってそれほどは感じないかもしれません。
しかし、窮地に陥ったときに、試行錯誤して必死で窮地を脱してきた「経験」の差は出るのでしょう。
ちなみに、村田選手もアマチュアで素晴らしい戦績を誇るオリンピックの金メダリストでもあるのですが、GGGはプロアマでの合計試合数は村田選手の倍以上です(汗)
もしかすると、脱してきた窮地の数も倍以上の差があったのかもしれません。
ちなみに、パンチのヒット率は、GGGが41%、村田選手が24%だったそうで、ここにも差が見られました。
村田選手も最高の動きをしていましたが、今回はトラブル時の引き出しの数にGGGとの差を感じました。
仕事でも「こんなときはこうする」がある人と無い人では、トラブルの際に明確な差が出ますよね。
両者とも最高にかっこよかったです。

ちなみに、GGGは40歳です。
すんごい身体しているので、ぜひ御覧ください。
凄まじく強いうえ、すんごいジェントルマンで、いつの間にかGGGのファンになってしまった方も多いのではないでしょうか?

また、ボクシングと言えば、僕が大好きなボクサーで、ワシル・ロマチェンコという天才ボクサーがいます。
その彼は今年の2月、試合をキャンセルして、祖国ウクライナを守るために防衛隊に参加することを決めたそうです。
戦争、早く終わるといいですね・・・
ロマチェンコが銃を持つ姿ではなく、グローブをはめ、芸術的なテクニックで相手を翻弄する姿を早く見たいです。

 

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著者/市川 厚(いちかわ あつし)

株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/

LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/

<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。

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