「病院をオシャレにすれば患者は戻ってくる?」〜お医者さんは、なやんでる。 第63回 〜

第63回 「病院をオシャレにすれば患者は戻ってくる?」

お医者さん
お医者さん
うちの病院も、できてもう三十年か。建物もだいぶ老朽化してきたなあ。
お医者さん
お医者さん
最近この辺りにも新しくてきれいな病院が増えたし、うちの患者数が減っているのはこの見栄えの悪さも理由なんだろうな。
お医者さん
お医者さん
うーん、この際、しっかりお金をかけてリフォームでもしようか……。
確かに見栄えも大事ですよね。まるでホテルみたいにオシャレな病院も出てきてますし。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうそう、うちもああいう今風な感じにすれば、きっと患者さんも戻ってきてくれて……って、君は一体?
始めまして、ドクターアバターの絹川と申します。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ドクターアバター? へえ、これまたオシャレそうな肩書だ。そして、そんなあなたもやはり見栄えが大事だと言うんだね。
お医者さん
お医者さん
やっぱりここは、建て替えも含めて全面的なリニューアルを行ったほうがいいな。よし、善は急げだ、さっそく業者に連絡を……
ちょっと先生、一旦落ち着きましょう。確かに私は見栄えも大事だと言いましたが、それが本当に課題解決に繋がるかというと、必ずしもそうではありません。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
んん? じゃあどうすれば患者が増えると言うんだ?
そうです、そこです。先生の病院の課題は「患者数が減っている」ということですよね。そしてこれにはきっと原因があるはずです。先生自身はなぜだと思われますか?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
だから言っているじゃないか。うちの病院がこんなに古臭いからだよ。つまり、見栄えの問題だ。
本当にそうでしょうか? 先生の病院は確かに「昔ながらの病院」という雰囲気ではありますが、しっかりした建物ですし、待合室もしっかり整頓されていて、それにお庭にはキレイな花も咲いている。個人的には、患者減の理由は別にあるのではないかと思うんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
む……じゃあその理由というのはなんなんだ? どうしてうちの患者は減っている?
いろいろな要因があるとは思いますが、最近患者が増えているのは患者さんとの「対話」を重視している病院です。つまり、患者さんとしっかりコミュニケーションを取るタイプの病院、ということですね。失礼ながら、先生は「対話」よりも「効率」を重視されていませんか?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
まあ、その二択で言えばそうかもしれないが。しかし、対話って……別に患者と世間話をしたってしょうがないだろう?
いや、そんなことはありません。治療に直接関係ない話が患者さんの満足度を上げるケースは全然あると思いますよ。それにもちろん、病状や薬についての説明も「対話」の一つです。要するに、今は患者さん一人ひとりにじっくり向き合う姿勢が求められているということです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
…つまり君は、そういった姿勢を持てば患者は増えると言っているんだな。病院をリフォームすることよりも。
仰る通りです。患者さんの満足度が上がれば自然と口コミも広まっていきますし、SNSで発信してくれる人も現れてくるかもしれない。建て替えやリフォームをするのは、そうやって患者さんが増えた後でも遅くないのではないでしょうか。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
…まあ確かに、仮に見栄えだけよくなっても、中身が変わっていなければ遅かれ早かれ同じ結果になるのかもな。
それに、建て替えや全面リニューアルとなれば大変なお金がかかります。ですがオペレーションの見直しなら、無料かつ今すぐできるんです。これを試さない手はありませんよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
まあ、それはその通りだな。よし、まずはそちらの線から始めてみようか。
はい、それがいいと思います。患者さんだけでなく先生自身も心地よいオペレーションを見つけて、実践されていくのが一番だと思いますね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
患者だけでなく自分も心地よいオペレーション、か。うん、それが実現できたら確かに最高だな。…しかし、本当にそんなものが見つかるのかな。
もし必要があれば、その企画出しや導入をお手伝いすることもできますよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
え、一緒に考えてくれるの? それは助かる、ぜひお願いしたいな。
ありがとうございます!素敵なオペレーションを見つけましょう!
絹川
絹川

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医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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