この記事について
半世紀も生きてきますと、【ことわざ】の持つ意味が、より深く染みるようになりました。昔の人はうまいこと言ったもんだなぁと、しみじみ。時代の転換期、大きく世の中が変わってゆく中でも、人やこの世の本質的な部分は、案外変わらなかったりします。結構スルドイところを突いてくるのです。
本日のことわざ
「引かれ者の小唄」
以前さあ、とんでもないクレームを出した人がいて。まあ、仕事していたらミスやクレームはつきものなのだけどさ、ミスを隠しちゃっていたから大事になっちゃった。
あらまあ。
誤魔化し続けられるものではないのにね。若手の社員ならともかく、ある程度の管理権限のある立場の人だったから、余計にびっくり。
新卒や若手社員の手前、余計に言い出せなかったんじゃないか?
あ~、それはあるかも知れない。
まあでも、ホントはすぐ謝罪して向き合った方が、カッコイイんだけどね。
それでね、やっぱりクレームって早く対応すればするほど、ダメージは少なくて済むものだから、、、隠蔽して寝かせちゃっていた分、もう大変!ホント、会社の信用に関わてくるからさ。さすがにこの取引先の仕事、飛ぶかもしれないって。
あら~。
ミスは仕方ないじゃない?でもさ、どうしてそれを報告しなかったのか、それでどれだけ大変な事になっているのか、、って。そりゃ上長は強く指導するよね。
そうね。
別室で指導していた部長さん、戻ってきたらさ、さっきより怒ってるの!
ほほう。
まあ、怒りを通り越して、呆れてたという感じかな。
へ~。
部長さんいはく、こちらは本気で怒って真剣に向き合っているというに、当の本人ときたら、、、
ほう?
ヘラヘラ薄ら笑いをしていただけでなく、鼻歌をうたったと。「彼はもう無理だ」と判断して、その場を離れたそうで。私もそれを聞いて、本当にびっくりした!
お客様にとんでもない迷惑をかけて、会社のみんながそのために大変な思いをしてフォローや対応に追われているというのに、、、当の本人のその態度、アタマおかしいんじゃないか?って、思っちゃった。
それで、今日はこのことわざを??
そうなの!このことわざを聞いた時、いま話したことを思い出したの!!
【引かれ者の小唄】これ以上、逃げることもできず、どうする事もできず、窮地に立った人が、鼻歌をうたって平気を装ったり、強がったりすることの意味。
昔、罪人が処刑場に連行されるときなどに、強がって小唄をくちずさんだりしていた事に由来する「ことわざ」だね。
ほんとにさ、まさにこのことわざと一緒だなと!
そうだね~。
バカにして、鼻歌をうたったのではなくて、もうどうしたらよいか分からなくて、ああいう態度になったのかあって。自分の中では相当窮地に追い込まれていたんだね。
まあその後、彼は退職したから、重く受け止めていたんだなというのはわかったけどね。
「ひと」って深いねえ。知れば知る程、面白い☆
表面的なことだけでは、判断できないことの方が多いかもしれないね。
著者について
黒須 貴子(くろす たかこ)
https://tempurayama.com/
数々のアルバイトや専業主婦などを経て、消防設備の会社を設立。下請けからの脱却、女性消防設備士の登用など、難題に直面してきた経験をシェアして生かせる〈社長峠の茶屋〉を始める。学生時代はパンクロッカー、現在はヴィジュアル系のキャンサーサバイバー。