ネットの履歴書
第56回『前澤ファンドの本質』

ソルナ株式会社が開発した究極の履歴書。それがネットの履歴書』これまでの履歴書や職務経歴書とは何が違うのか。なぜ究極と言えるのか。その秘密に迫ります。

小さなブルーオーシャンを追え
〜ネットの履歴書〜

第56回『前澤ファンドの本質』

 

安田

じつは私の知り合いが応募したんですよ。前澤ファンド。

三澤

あまり詳しく知らないんですけど。10億円出すんでしたっけ?

安田

そうです。「10億円ファンドのネタを募集します」っていう企画。

三澤

何人かに出すんですよね。

安田

たしか10人の起業家に出資する案件だったと思います。だから計100億円。

三澤

凄いですね。それに安田さんの知り合いが応募したんですか?

安田

はい。私の知り合いは塗装屋さんなんですけど。ポスティングの新規事業で応募しました。

三澤

エントリーにお金がかかるんですよね?

安田

はい。10万円かかります。

三澤

けっこう高いですね。

安田

まあ10億ですからね。それに前澤さんが手伝えば一気に知名度も上がるし。

三澤

確かにそうですね。

安田

中にはA4ペライチの企画書もあるみたいで、「こんなのでいいの?」って前澤さんがコメントしてました。

三澤

5000件くらい応募があったんでしたっけ?

安田

そうです。審査料だけで計5億円。純利ですよ(笑)

三澤

まあその分、使う金額も大きいですから。

安田

100億円です。

三澤

5,000人の中から、無理くりでも10億を10人に出資するんですかね。

安田

「いいのがあれば」っていう感じじゃないですか。さすがに。

三澤

でも「結局3件しか出資しませんでした」ってなったら揉めそう。

安田

確かに。前澤さんなら無理やり10件やるかもしれない。

三澤

まあ案件が5000件もあれば。

安田

しかも10万円払ってまで審査して欲しいっていう「本気の企画」ですからね。

三澤

そこが凄いですよ。

安田

はい。よく考えたら5000件のビジネスアイデアを集めるだけでも凄い。しかも10万円ずつ払わせてる。

三澤

フィルターにかけられるし、審査するための人を雇っても余裕でペイします。

安田

やっぱり彼は天才ですよ。

三澤

いいアイデアがあれば、出資してそのまま自分の新規事業にもできる。

安田

しかも広告費ゼロですよ。ツイッターでちょっと呟いただけ。

三澤

それで5億円集まるって尋常ではないです。

安田

しかも前払いですよ。

三澤

普通に広告で集めたら相当お金かかるでしょうね。

安田

お金もかかりますし、そもそも10万払う人が5,000人も集まらないですよ。

三澤

かなり深く練られた企画ですよね。

安田

深いですか。

三澤

はい。たとえば「なぜ10億なのか」とか。5,000万とか1億とかでもいいわけで。

安田

確かにそうですね。

三澤

1件あたり10億円ってことは、要は「10億かけてまでやりたい事業を募集する」というメッセージでしょうね。

安田

なるほど。そこまで考えられてるんですね。「最低でも100億、1,000億になるような事業じゃないとやらない」と。

三澤

それに資本金10億円のビジネスをつくる人脈も一気に手に入る。

安田

人脈ですか?

三澤

はい。出資はしなくてもビジネスパートナーにするとか。

安田

なるほど。「レジュメつくったこの能力がすごいから、別で一緒にやろうよ」みたいな。

三澤

はい。それは絶対やるでしょうね。

安田

5億円集まると同時に5,000人との繋がりができてしまうと。

三澤

そっちの方が大きいでしょう。10万円をポンと出せる人の人脈。

安田

確かに。

三澤

自分でアイデアを出し続けるのって、限界がありますから。

安田

そうですかね。あのZOZOをつくった人ですよ。

三澤

ZOZOがあそこまで行くとは、彼自身も思ってなかったでしょう。

安田

そうかもしれないです。「ただ好きなことをやっただけ」と言ってました。

三澤

はい。でも次にやる事業は最低でもZOZOぐらいにはしたい。

安田

だから募集する事にしたと。

三澤

側近の誰かが言ったんじゃないですか。「それ、募ったらいいじゃないですか」って。

安田

なるほど。

三澤

「でも、募るのはいいけど集まるか?」「話題性でしょ」「じゃあ10億円ファンドか」「変なのを入れないために審査料を取ろう」「10万か20万か」って叩いていった。

安田

逆に10万取らなかったら「どれだけ集まったんだ?」っていう。たぶん審査できませんよ。

三澤

僕の感覚だったら10万はむしろ安いです。

安田

そうですか?

三澤

だってどうにでもなる金額じゃないですか。

安田

だからいいんじゃないんですか。後でそんなに揉めないでしょうし。

三澤

僕だったら100万円で1,000件とか2,000件の応募をめざしますけど。

安田

いやあ、100万だったら後で揉めそうな気がします。

三澤

でも本当に欲しいのはそういうアイデアじゃないですか。

安田

「お金はないけど面白い」って子もいますよ。

三澤

面白い子をターゲットにするか、すでに第一線で活躍してるサラリーマンをターゲットにするか。

安田

サラリーマンですか?

三澤

外資とかも含めて。彼らは結構お金も持ってますし。

安田

でも本当に100億円出すんですかね?同時に10個の事業をスタートすると思います?

三澤

そう簡単に10億は払わないでしょう。やるとしても1個ずつ。

安田

だけど1個の事業をやって確実に当てるって難しいじゃないですか。

三澤

そうですね。

安田

5,000の中から絞りに絞って10個やって、「1〜2個当たれば元は取れる」ぐらいの感覚なんじゃないですか。

三澤

失敗案件は絶対に出てきますから。

安田

だったら1個ずつやるより10個同時に走らせて、2個3個当てたほうが早い気もするんですけど。

三澤

柳井さんでも1勝9敗って言ってますし。孫さんの影響も受けてますからやるかもしれないですね。

安田

孫さんの影響ですか?

三澤

はい。圧倒的に投資するんですよ、孫さんって。何千億っていう単位で。

安田

ああ、なるほど。

三澤

いずれにしろ前澤さんがどんな選択をしてくるのか楽しみです。

安田

どんな事業を選ぶんでしょうね。

・・・次回へ続く・・・

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