庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第96回 屋上に庭をつくるという選択

ルーフガーデンって最近よく耳にしますけど、実際にどうやって木を植えているのか、あまりイメージが湧かないんですよね。そもそも屋上に庭なんて作れるのかと(笑)。

確かに。普通の庭のように土をたっぷり入れて、石を組んで、というのは現実的じゃないですもんね。でもせっかくスペースがあるなら、季節を感じられる木があったり、一年を通して緑を眺められる空間にしたいなぁ。

そうですよね。私自身、最初は風で飛ばされるんじゃないかって心配していたんです。でもサイドを結束バンドで固定しておくと、時間が経つと木の根同士が絡み合って、鋸で切らないと動かせないくらい強くなります。

いや、それが実は逆なんですよ。「広めのベランダを作ったけど、使い道がなくて…」というご相談の方が多いです。最初は庭にまったく興味がなかったけど、私がご提案したりする中で「ベランダにも緑があるといいね」となるパターンですね。

確かに普通の芝は大変ですが、最近は管理が楽な種類もありますし、ピートモスという軽量の土壌を使えば、水やりの頻度も抑えられます。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。