第34回 ポスティング会社が飲食業に進出するワケ。

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第34回 ポスティング会社が飲食業に進出するワケ。

安田

前回も少しお聞きしましたが、来年から飲食店を始められるそうですね。


中辻

そうなんです。でもまだ何屋さんをやるかは言えなくて。そこも含めて戦略があるんです。

安田

なるほど。そこは企業秘密というわけですか。


中辻

ええ。来年の春頃には言えるかと思いますが、現時点では「スイーツ関連のお店」ということだけしかお伝えできません。

安田

では何を販売するかについては置いておいて、なぜ飲食業界に参入しようとしたのかお聞かせください。というのも、これまでのポスティング事業はBtoBだったじゃないですか。


中辻

はい、そうですね。

安田

単価も高いし、社会的なインパクトややりがいも大きいと思うんです。一方で飲食はBtoC。単価もせいぜい何万円程度。正直に言ってBtoBほどのダイナミックさは感じられないのかなと思うんですが、なぜわざわざ飲食業をやろうと思ったんですか。


中辻

それはもうシンプルに、私が食べることが好きだから、です(笑)。前にもお話したと思いますが、私は自分で稼いだお金は娘と車以外、ほぼほぼ「食」に使っているくらいですから。

安田

すごいですよね(笑)。食事だけですか? 一緒にお酒も飲んだりします?


中辻

実は私、お酒は一滴も飲めないんですよ。体質的に合っていないらしくて、お医者さんから飲まない方がいいって止められています。だから高いワインや日本酒を買うのは、誰かにプレゼントで渡すときくらい(笑)。

安田

そうなんですね。じゃあ本当に純粋に食べることが好きなわけですか。


中辻

はい、そうなんです。というか、誰かに作ってもらったご飯って美味しいじゃないですか。だからお休みの日はいつも外食にしています。

安田

へぇ、そうなんですか。


中辻

私の中の決まりごととして、週末はキッチンに立たないことにしているんです。平日は仕事も育児も家事も頑張るけど、土日祝日は主婦業も含めて全部お休み。それで外食するんです。

安田

それはいいですねぇ! どんなお店に行かれるんですか? 何ヶ月も前から予約しなきゃいけないような人気店とかですか。


中辻

そういうところも行きますし、馴染みのお店とか、あとは新規開拓もわりとしています。他にも娘が行きたいお店とか、それこそ近所にできた話題のラーメン屋さんにも行きますよ。

安田

高いお店ばっかりじゃないぞ、と(笑)。


中辻

そうですそうです(笑)。とにかく美味しいお店でご飯を食べるということが休日の楽しみだったんです。でもそれがコロナ禍になって全然できなくなってしまったわけですよ。

安田

ああ、確かに。緊急事態宣言が出たときなんて、外食どころかちょっと外出することすらはばかられましたよね。


中辻

仰る通りです。当時は私も一切外出しませんでしたね。経営者として、会社の子にうつすわけにはいかないですし。

安田

自由に外出できないのって、大きなストレスですよね。


中辻

そうなんですよ。で、その時に私がいつもやっていた「休日のお食事会」が自分にとってかなり重要だったということに気づいたんです。単なる「外食」という位置づけではなかったというか。

安田

実は「美味しいものを食べる」ということ以上の価値があったと。


中辻

ええ。実際にお店にいって、美味しいものを囲んで、みんなでワイワイしながら食べる。そういうことが相まって、私の心を満足させてくれていたんだなと。

安田

そういえば当時、リモート飲み会っていうのが一瞬流行りましたよね。やってみましたか。


中辻

ああ、やりました。リモートお食事会も。でも何か違うんですよ。で、仕方なく、テイクアウトもやっている美味しいお店を探すことにして。

安田

私も探したなぁ。コロナ禍になってテイクアウトを始めたお店、多かったですよね。


中辻

そうなんです。探したら結構ありました。それで、テイクアウトしたお食事やスイーツを、お家で娘と一緒に映画とか観ながら食べて。そうしたら、心がすごく満たされたんです。そうか、美味しいものを大切な人と食べることが大事だったんだ、と気付きましたね。

安田

もしかしてその経験が、飲食業への参入するきっかけになったんですか?


中辻

仰る通りです! 私が提供したお食事やスイーツが、みんなを笑顔にする。家族の会話がはずんで楽しい時間になる。そうなればすごく嬉しいと思って。それで飲食のお仕事をしたいと思うようになったんですよ。

安田

社長の久保さんは、どんな反応でしたか? 今儲かっているポスティングのほうに集中してくれよ、みたいには言われませんでしたか(笑)。


中辻

第一声が「儲からないからやめたほうがいい」でした(笑)。誰に聞いても飲食店で儲けるのは難しいと言われますし、私自身もそれは理解しています。でも、やりたいからやります(笑)。

安田

儲けは度外視ですか? それとも、やるからには儲けるぞ、という感じですか。


中辻
それはもちろん後者ですよ。飲食店のコンサルタントさんにご助言をいただきながら、きちんと利益が出せるようにすすめています。というか私、絶対に売る自信があるんですよね。なぜかよくわからないですけど(笑)。
安田
その自信、いいですね〜(笑)。

中辻

広告には強いと自負しているので、あとは味とサービスさえ良ければ絶対にお客さんには来てもらえると思っているので。

安田
ちなみに中辻さんは、ポスティング事業で一番大事なことは「お客さんを成功させること」だと常々仰っています。では飲食業における成功のポイントはなんでしょうか。

中辻

「美味しいこと」です。より正確に言えば「値段と味のバランスがとれていること」ですね。まだ何を売るかが言えないから、フワッとしか語れずにすみません(笑)。

安田
笑。ちなみに何を売るのか、ちょっとだけヒントをいただけますか?

中辻

「それ」は私が子どもの頃に食べて、ずっと忘れられない味なんです。でも「それ」を買えるところはあまりない。だから「それ」が食べられる専門店を泉大津に作りたいと思っています!

安田
なるほど。では中辻さんは「それ」の秘伝レシピはすでにご存知なわけですね。

中辻
ええ、もちろん。そしてその味は、ちゃんと2024年バージョンにブラッシュアップさせるつもりです。
安田
そうなんですね。どんな飲食店になるのか楽しみです。それではまたオープン後にいろいろとお話を聞かせてください!

 


対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

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1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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