「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第35回 経営の極意は、ビジネス書からは見つけられない?

で、今度は会社が徐々に大きくなることで試算表の仕分けが増えますよね? すると、これは何のお金なんだろう? どういう用途で国に支払っているんだろう? と疑問に思うことも増えて。だからちゃんとお金のことを理解したいとセミナーに行って。

仰る通りです。税理士さんにも、「単月や単年じゃなくもっと長期的に見れるようになったほうがいい」と教えていただきました。そういうこともあり、会社や組織としての考え方・成長の捉え方などについては、積極的に学ぶようにしています。

そうですね。というか、これは何の忖度もなく言うんですが、前に安田さんが仰っていた言葉が私の中で妙にしっくりきていて。それが「お金を払ってでも買いたいと思ってもらえるものを売ればいいだけ」っていう言葉だったんですけど。

はい。そうやってファンを増やすんだよ、って仰っていて。私、それこそが「ものを売ること」のすべてを表していると思っているんです。そのひと言がすごく腹落ちしているので、ビジネス書や啓発本に書かれていることが全然響かないのかも(笑)。

あ、そうかもしれません。そもそも私たちは「ものを売ること」に対して全く違う考え方で。久保さんは「儲かる・儲からない」で判断される。でも私は「自分が売りたいと思えるもの」じゃないと信念を持って売れないと思っています。

対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。