「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第50回 売上アップに多大な貢献をするパート社員

前回、中辻さんはこれまでの人生で「好き」を主軸に考えて仕事をしているから頑張れているというお話を聞いてすごく納得感がありました。ヤクルトの次に就職された印刷会社も、やはり「面白そう」と思ったから転職を決めたわけですか?

そうなんです(笑)。当時のマネージャーも「18歳まで待ってくれるんだったら、社員になれるよう上の人に打診するよ」と言ってくださったんですが。ただヤクルトレディで稼げる金額って限度があるので、娘のためにもっと稼げる仕事に就かないと、という想いもあって。

それまで娘のことはヤクルトの託児所に預けていたんですが、ちょうど入園できる保育園が見つかって。保育園に入れれば朝から夕方までしっかり働けるので、それでフルタイム勤務のできる転職先を探し始めたというわけです。

ああ、そうだったんですね。でもなぜそこで、特に知識や経験があるわけでもない印刷会社を選んだんですか? 今までヤクルトレディというある意味「営業」的なお仕事をしていたんだから、それを活かせる仕事を探せばよかったのに。

確かに入ってすぐはそうでしたね。でもここでもすごくラッキーだったのが、配属された「インクジェット部」というところが新設されたばかりの部署で。人数も5人くらいしかいないような「発展途上の部署」だったんですよ。

この部署、インクジェットプリンターを使った特殊印刷をしている部署なんです。紙以外のモノにどうやったらキレイに印刷できるのかを試行錯誤しながら、サンプル品をたくさん作って、それを展示会で発表するというようなことをしていて。

ははぁ、なるほど。単純作業だけではなく、クリエイティブなこともできる環境だったんですね。ちなみにそういった試行錯誤、あるいは展示会への出展などは、会社から「こういうことをやってくれ」と指示されてやったわけですよね。

ははぁ、なるほど。そこがすごいところだと思うんですよね。たいていの人は言われたことしかしないものなのに、なぜ中辻さんは「いい仕事をして成果を上げるぞ!」という思考になるのか…。私には不思議でたまらないです(笑)。

笑。当時は新設部署ということもあり売上が全然なかったんですよ。そうしたら他の部署からは「売上低くても何も言われないのっていいよな〜」みたいな嫌味がポロポロと聞こえてきて。だからそれに腹が立って「成果を上げよう!」ということになったのかもしれないです(笑)。

仕事を取ってきてくれるのは営業さんだからですね。実は今から15年ほど前って、まだインクジェット印刷自体があまり知られていなくて。だから「こんな印刷技術があるんだよ」ということを、まずは営業さんに売り込まなくてはと。
対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。