第50回 学生さん向け「SNS活用のススメ」

この対談について

「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。

第50回 学生さん向け「SNS活用」のススメ

安田

今日は「学生さんのSNS活用術」をお聞きしたくて。いま高校生とか大学生の子に、「SNSをこう活用すると、将来の資産になるよ」みたいなアドバイスをいただけませんか。


西崎

なるほど、おもしろいですね。まず前提として、「SNSはビジネスの市場と似ている」と考えるといいよ、というのは言いたいかな。

安田

ほう、SNSはビジネスの市場と似ている。


西崎

ええ。たとえばXでも、面白かったり有益なことを発信すると、たくさんいいねがもらえたり、リポストしてもらえたりしますよね。それって実はビジネスの市場も同じで、面白かったり有益だったりする商品やサービスをリリースすれば、それだけたくさん売れるわけですよ。

安田

ああ、確かに確かに。逆に言えば、SNSで「今日ラーメン食べました」みたいな意味のない発信をしていても、いいねはもらえない。それはビジネスでも同じだと。


西崎

そうそう。本当にビジネスの縮図だなと思っていて、つまりSNSでもらう反応ってビジネスで言う対価なんですよ。そういう感覚で日々の発信をしていけば、商売の練習にもなるんじゃないかなと。

安田

なるほど、おもしろいです。ということは、既に1万人とか2万人のフォロワーを持っている学生さんがいたとしたら、その人はビジネスのセンスがあると思っていいですかね。


西崎

もちろん「どんな発信をしているか」も関係してきますけど、SNSで数字を取れるってことは、ビジネスでもそれだけファンを作りやすい人だとは言えるでしょうね。

安田

つまりマーケティング力とか集客スキル力があると。


西崎

あとは企画力もそうだし、継続力もそうですね。

安田

ああ、確かに確かに。それは社会人になってもバリバリ活かせますよね。ちなみになんで今日こんな話をしているかってね、いま小学生の将来の夢にYouTuberが入っていたりするでしょう? でもそれはプロ野球選手や芸能人になりたいってのと同じで、すごく狭き門なわけですよ。


西崎

まぁ確かに、なりたい人が全員なれるわけじゃないというか、youtubeだけで喰っていけるようになれるのは一握りでしょうね。

安田

まさにそうなんですよ。動画の再生回数だけではなかなか喰えない。でもね、何かビジネスと絡めれば、そこまで難易度は高くないんじゃないかと思っていて。


西崎

それは、SNSとビジネスを絡める、ということですか?

安田

そうそう。youtubeだけで成功するには、登録者10万人じゃ少ないかもしれないけど、何かしらのビジネスが絡んでいればもう十分だと思うんです。そこで何かをPRしてマージンをもらってもいいし、集客力を活かして企業とタイアップしてもいい。


西崎

ああ、わかります。実際僕の知人にも、時計関連の配信をしている人がいて。登録者は56万人くらいなんですが、時計メーカーさんからバンバン案件の相談が来るんですって。結果、毎月かなりの額の収入を得ている。

安田

いいですねぇ。まさにそういう形を目指すべきだと思うんですよ。アーティストさんでも、フォロワー自体は1万人くらいなんだけど、個展を開いてSNSで集客してっていう方法で十分に喰えたりする。もっとも、「商品開発力」がないと難しいのかもしれませんけど。


西崎

確かに。そういう意味でもビジネスと同じで、「どうやって世の中に価値を提供するのか」をきちんと考えて、商品として形にしないといけませんね。SNSとメルマガを絡めるとか、オンラインサロンみたいなものを立ち上げてコミュニティ化してもいいし。

安田

なるほどなるほど。ちなみに最初に言っていたような、数万人のフォロワーを持つ高校生がいたとして、どういう商品を売ったらいいですかね。


西崎

そうですねぇ。フォロワーがその人と同年代の高校生メインなら、その子たちの持っている情報を企業に販売する、みたいなビジネスは成り立ちそうですね。「今あなたが就職先として考えている企業は?」なんてアンケートを打ったりして。

安田

なるほど! 数万人の高校生の意見が手に入るわけですもんね。それはお金を払ってでもやる企業がいっぱいありそうです。それに、フォロワーからお金を取るんじゃなく、企業から取るっていう思考が素晴らしいですね。


西崎

そこが結構重要だと思っていて、フォロワーさんにメリットがあることをした方がいいんですよ。

安田

ははぁ、なるほど。逆にフォロワーさんを儲けさせてあげるみたいな発想が必要なのかもしれませんね。


西崎

まさに仰るとおりなんです。「その人をフォローすればメリットがある」とわかれば、さらにフォロワーは増えていきますよね。そして、フォローが増えれば増えるほどアンケートの価値もさらに高まっていく。まさに好循環です。

安田

いや、本当ですね。古い頭だとどうしても「フォロワーは集まったから、そろそろフォロワーから金を取れる仕組みを考えよう」ってなっちゃうんですけど、それは間違っていると。だいたいそんなことをしたらフォロワーはどんどん減ってしまいますよね。


西崎

もちろんやり方次第だとは思いますけどね。でもやっぱりフォロワーから「応援される存在」でいることが、今後はより大事になっていくんだと思います。

安田

なるほどなぁ。いや、今日はすごくいい話を聞けました。これを読んでいる学生の皆さん、ぜひ参考にしてみて下さい!


対談している二人

西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社
代表取締役 最高経営責任者

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1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数19万人とSNSでの発信も積極的に展開している。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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