vol.40【心の海|忙しくて家族とお気に入りの海になかなか行けないMさんの場合】

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

心の海|忙しくて家族とお気に入りの海になかなか行けないMさんの場合

あるパーティーでの出会いが、Mさんの海の絵を描くきっかけになりました。
100人規模のパーティーでしたから、偶然の悪戯と言えるかもしれません。しかし、私は、人と人との出会いはご縁と感じています。
パーティーの主催者は、絵のオーダー主でした。華やかな花々が咲き誇るオーダー絵画。
絵を見た人たちは、「お花が綺麗」と口々に言いました。しかし、Mさんだけは違いました。
「門間さん、私には、花の向こうにある海が目に飛び込んできました。こういう海が欲しい。海の絵を描いてくれませんか?」と言ったのです。

30センチほどある絵の中で、海の大きさは数センチほど。でも、Mさんがその小さな部分から惹かれるものを感じたのが伝わってきました。

その後、話を聴くと描いて欲しいのは、「大好きな石垣島の海」なのがわかりました。Mさんは、新しい畳のあり方など内装の提案を手がける会社の社長で、忙しい毎日。その合間を縫って家族で石垣島に行くのをいつも楽しみにしていました。しかし、仕事の都合もあり、行きたい時にいつでも行けるわけではありません。だから、「家に石垣の海を持ってきたい」のが理由でした。

それを聴いて、ビジョンクリエイターとしてイメージが鮮やかに浮かびました。「窓から海が見えるように、海の絵をリビングに飾る」のです。Mさんに伝えると、「リビングでワインを飲みながら海を楽しめる自分が浮かんできました!」とにっこりしました。

さて、どんな海を眺めながらグラスを傾けたいのか?Mさんは、大好きな海だからこそ、迷い始めます。
「海だけのもいい。でも、石垣は島が点在しているのが特徴だから、海に島が浮かんでいるのもいい。それに、海岸に美しい緑がある場所があってそれもいいし‥‥」

単に「海の絵をお願いします」とオーダーするのではなくて、ゼロから聞いてもらって、自分だけの絵が手に入る!と、話しているうちに実感したMさんは、想像がたくさん広がって迷い始めます。好きなものだからこそ、いろんな場面が浮かんで選べないことはあるものです。しかも、イメージを写真のように鮮やかに細部まで思い描くことは、普通できません。さらに、それを言葉にするのは、もっと難しいものです。

実際、Mさんは、石垣島でとった写真を私に見せて、「この部分はいいけれど、ここは違う」「この色は好きだけれど、本物はもっと違う」など、頭の中にある海を語りながら、迷っていました。

だから、「3パターンの海を、描いてみましょう」と提案しました。すると、「それは素敵です!」と、Mさんは目を輝かせました。Mさんは絵が好きで何枚か持っていましたが、それらは全て買ってきたものだったので、【自分だけのために、構想画を描いてもらう】ことに、ワクワクしたのが伝わってきました。確かに、これは、絵の構想から立ち上げるオーダー絵画だからこその贅沢です。

アトリエに戻り、海だけの絵、島の浮かぶ海、緑の海岸からの海‥‥、60センチくらいの大きさの絵を3枚、描きあげました。画家は小さな画面でイメージを精査することに慣れていますが、クライアントは画家のように訓練を積んでいません。だから、本画の半分くらいの大きさの絵にして、簡単に選べるようにしました。

すると、Mさんは、「門間さん、こうやって描いてもらうと、欲しいものがはっきりわかりますね。私は海だけが欲しいのだとわかりました」と、自分で本当に欲しい絵を選び取りました。島も、緑もいらない。ただ、海だけが広がっている絵が欲しいと、心から確信できたのです。

その後、完成した絵をリビングに飾ったMさんは、「これで、ワインが一層美味しくなります」とにっこり笑いました。
その後、「『ああ、石垣の海だ』と味わっています。同時に、「生き生きとした海の青色に心奪われていたのだ、目で見る海でなく、<心で感じる海>だったのだ」と気が付きました。それが引き出されて、毎日眺められることを楽しんでいます」とメールが届きました。

その後、Mさんは、着々と事業を伸ばして、公私共に充実した生活を送っています。

 

今回完成した作品 ≫「心の海」

 

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「門間さんに描いてもらい」とひそかに思いを育んておられた皆さま、是非ご確認くださいませ。

https://brand-farmers.jp/blog/monma_vision-paint/

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 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

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