其の七十伍 伝説ってなに?

イノベーションカードが知らせる

本日の斬り口:じっくり観察してみる
ーーーー

○村伝説

って漫画に
なりそうだなと
思いながら

一体どんな
伝説でござるか

と後ろ毛皮を
引かれつつ、
降車した拙者。

巷には、

お釈迦さまはこう言った
キリストはかく語りき

のような言い伝え=伝説から

梅干しとうなぎは
一緒に食べちゃだめ

夜、爪を切るな
蛇がでるよ

のような言い伝え=伝承

あの人はすごい
あの人のおかげで助かった

のような語り種=英雄伝

あの店のカレーは最高
あの人のおむすびは最強

のような口コミ=伝播

のように、さまざま
カテゴリーの

伝説

が響き渡っている。

ーーーー
響き渡る

と書いたときに
ある1つの場面が
思い出された。

『キングダム』という
漫画がある。

中国春秋時代、
ひとりの少年が
大将軍になるまでの
物語を軸に

秦が中華統一を
目指す動乱の時代を
描いいてる作品でござる。

リーダーシップは
キングダムから学べる

と、経営者や
マネジメントを
求められている人たちに
読まれているので
ご存知の方も多かろう。

思い起こされたのは
主人公である、

信(しん)

という少年が、
のちにその名で
知られるようになる

飛信隊(ひしんたい)

を指揮して
初の武功を
あげた時の
エピソードだ。

ーーーー
祝杯をあげている
飛信隊のところに、

大将軍王騎がやって、
今回の武功は

ひとときの間
中国全土に広まる

飛信隊の信の名が
知られる

でもひとときの
噂程度ですぐに
かきけされる

といいながら

よくやりました。ムフフフフ。

と労う。

この場面で
主人公の信は、

かき消されても
なんどもなんども
繰り返す。

将軍はそうやって
将軍になって
いったんだ

と将軍への道を歩む
自分の決意を
新たにする。

ーーーー
と、ここで

伝説

をじっくり観察
してみると、
共通項として
浮かんでくる
いくつかのことがある。

たとえば、
伝説というと

インパクトが強いこと

という印象がある。

仮に、
伝説化する
目安数値を100とし、
インパクトの単位を
「撃」にすると

100撃 × 1回= 100

の100も

10撃 × 10回= 100

も同じ100を
生み出す。
大きなインパクトでなくても

繰り返す

ことは
同等の伝説を
生み出すことができる。

鉄をハンマーでたたくだけの
芸術作品があるが、
めちゃすごい衝撃を
1回でなくても、

人間が打ち込める
そこそこの衝撃を
幾度も与え
芸術作品に昇華できる。

しかし、実は
インパクトの大きさや
繰り返しだけでは

伝説となるには
まだ弱い。

ここにあれが
加わるからだ。
それは

時間の流れ

だ。
時間の流れは
圧力として働く。

素晴らしい
エピソード、
物語、体験も

ほとんどは
時間という
圧力をかけられ
どんどん消え去り、

最後には
空(くう)に帰る。

この時間圧に
耐え抜いたものやことが
伝説として
生き残っている。

逆をいえば、
時間圧に耐えている

伝統
古典
技術
技法
老舗

などには
やはり、
凄まじさが
隠されている。

ーーーー
そして、やはり
伝説には、

想像できること

が、かかせないだろう。
伝説を聞いた人の
脳内に、

情景

が再映像化される。

五感

が再体験される。

感情や思考

が共感される。

この脳内イメージが
構築されることが
伝説が伝説であり
続けるために
必要なことだ。

とこれまで
こねこねと
書いてきたが、

もしかして
もしかすると

あなたは
あなたの伝説を
記録し続ける媒体

なのかもしれない。
と思い至った。

あなたは
あなたの命が
経験するすべてを
余すことなく
繰り返し体感し、

人生という
時間圧に耐え
あなたイメージを
世界に発している。

伝説とは

したこと

という
終えられた
出来事の総和ではなく

ここに在る

という動的なこと
なのかもしれない。

ーーーー
ってことで
伝説とは、古文書や本に記載されたり、村の長老のみが伝える話ということではない。

伝説とは

すでに終えられた静的なデータではなく
いまここに在り、影響を及ぼす動的なこと
でござる。

拙者、細かい伝説がいっぱいあるタイプでござるよ。

 

著者の他の記事を見る


パンダ侍のプロフィール

あまりの弱さに
天敵に追われ、
争いを避けて、
しぶしぶ笹を食べ始める。
しだいに美味しく
感じれらるようになり、
肉食であるにもかかわらず、
肉をまずく感じるようになった
熊を先祖に持つ。

育ての先生の
気まぐれから、

こやつは笹薮から
世間に出してみよう

ということで、
草むらを転がり、
川のせせらぎをまたぎ、
欄干をスキップして、
東京に生息。

ある日、笹かまを食べ、

こ、これは笹ではない

と、その驚きで、ほっぺが落ち、
その衝撃で震えがとまらなくなり、
その震えから膝ががくっと落ちた、
その瞬間、

本質を見定めよ。

と天啓をうける。

それ以来、
本人の意思とは関係なく
白いしっぽが
陰陽太極図となり
白黒混ざり合う世の中で、
そもそもを斬ることになる。

腰に非常食の竹笹を
さしていたところ、

侍だったんですねー。

と、たまたま勘違いされ、
パンダ侍と
呼ばれるようになり、
現在に至る。

 

 

生息地:世田谷区界隈ときどき旅
職業:パンダ侍
特技:白黒和合流そもそも斬
苦手:常識、規則、喧騒、争い
好物:笹かま
信条:昼寝と愉快を選ぶ

執筆者:小野裕子

食べること、人間観察、木彫を修行とし、
愛と誠と調和、そしてユーモアを信条とし、
対話によって内発と創発を起こす現場づくりを得意とし、
中小企業の理念づくりやブランディング、新規事業開発を通じた組織変容、
また、経営者の自己変容セッションを生業にしている。
日本大学大学院藝術学研究科修士課程修了後、
企画・コンテンツ開発会社で企画ディレクションを経験後、2006年、株式会社つくるひとを創業。
売上高2億~7,700億円規模の組織、業種業態を問わず、創業以来780を超えるプロジェクトを経験。
10年間でのべ3万人の現場会議を中心に据え、対話型の課題解決に関わる。
現場プロジェクトメンバーの個人成長と集団組織の変容を
常に後押しするプロジェクト型のコンサルティングスタイルを貫き、「考え方」や「対話デザイン」を修得してもらいながら、実際の課題解決をすすめる。
幼いときは宇宙人、変人と、揶揄され、学校社会になじめないまま成長したが、実社会では「変人視点」が求められることが増え続け、重宝されている。

ツクリビト株式会社 代表取締役
デキル。株式会社 代表取締役
一社)一般社団法人ビーイング・バリュー協会 理事/マスターコンサルタント

感想・著者への質問はこちらから