【読むPodcast | ゲリラマーケティング】「会社は社員を育てなくなる?」2020年9月2日配信

第414回 「会社は社員を育てなくなる?」
これはもう確実な未来と言えます。会社とは利益追求の組織。
利益に結びつかないことには投資しないのです。
栃尾

こんにちは。安田佳生のゲリラマーケティング。ナビゲーターの栃尾江美です。

金子

もうリモート飽きました!会いたいでーす!金子亜佑美でーす。

安田

安田佳生です。リモート飽きました?

金子

飽きましたねえ。

安田

ふーん。

栃尾

ふーん。

金子

……(笑)

栃尾

(笑)

安田

僕は相手が嫌だって言わなければ普通にやってますよ。

栃尾

リモートをですか?

安田

いや、リアルのほうです。普通にリアルで人に会いますね。正直いってコロナの件も、もうちょっと…なんていうか、危ないとか、危なくないとか、どの程度だったらいいのかっていうのをひとりひとりが決めなきゃいけないと思うんですけどね。

栃尾

ああ、そうですね。

金子

うん。

安田

他人が決めた基準をそのまんま受け入れることが、これでいいんだろうか?と思っちゃいますね。べつに普通に人に会えばいいじゃんと思うんですけどね。

栃尾

安田さんの基準はフリーですか?相手がよければいいっていう決め方ですか?

安田

「コロナだから人に会わない」っていう選択肢が僕にはないですね。

栃尾

私は人数で考えようかなと思ってますね。人数が増えたら増えただけ爆発的にリスクが増えていく、っていう感じの理解なので。

安田

まあ、何がリスクかってことですよね。コロナにかかることがリスクなのか、死んじゃうっていうことなのか。

栃尾

ああ、そうですね。たしかに、それもありますね。

安田

よく言われますけど、車にひかれて死ぬより可能性はめっちゃ低いわけじゃないですか。

栃尾

あ、そうなんですかね。

安田

そうですよ。なぜみんながコロナだけをそんなに恐れる必要があるのかっていうのが、ほんとわかんないですね。

栃尾

ふーん。

安田

……まあ、コロナは本日のテーマじゃないんで。

栃尾

ああ、そうでした(笑)。今日のテーマは「会社が社員を育てなくなることについて」ということなんですが。

安田

これは僕の予想ですが。いままでは会社が給料を払いながら社員を育ててくれたじゃないですか。

栃尾

はい。

安田

これが終わるだろう、と。なかなか信じてもらえないですけど。

栃尾

うーん。私は、いちばん最初に入った会社で研修がいっぱいあったんですけど、そんな体力を持ってる会社ってどんどん減っていくんだろうなという気はしてます。そういう意味ではないんですか?

安田

体力がないっていうのもありますし、まあ、回収できないってことですね。

栃尾

売上で回収できない?

安田

つまり、仕事できない人を採用して、教えて、仕事ができるようにして雇い続ければ、その分は社員が稼ぎ出す利益で元が取れるからやってたわけなんですけど、教えたことを教えたとおりやって出る利益がどんどん減ってきてるんで。それに、社員にせっかく教えても、すぐ辞めちゃうじゃないですか。

栃尾

そうですね。

安田

だから「企業は利益回収ができないから教えなくなる」ということなんです。僕が怖いなと思ってるのは、「それじゃあ、新卒とか仕事やったことない人には誰が教えるんだ?この社会はどうなってしまうんだ?」みたいな意見がすごい多いんですよ。

栃尾

なるほど。

安田

そっちのほうがすごい怖いというか、違和感がありますね。

栃尾

これからは個人が自己研鑽で次のスキルを得る、みたいなことが自然なのかなという気はしてるんですけど、どうなんでしょうか?たとえば時間給の仕事をしながら、お金を払って学んでいく。

安田

そのとおりだと思います。基本的に日本以外の国ではそれが今でも当たり前。会社が給料を払って、なおかつ教えてくれるなんていうことはなかなかないわけです。僕は変だよなと思うんです。たとえば、この地域のこの時代に、本当に縄文時代に火焔型土器つくってたみたいな、まあ、火焔型土器はもっと長い期間つくってたかもしれませんけど、本当に特殊な状況だったものを当たり前だというふうに信じ込みすぎてるっていうかですね、どう考えてもおかしいと思うんですよね。変だと思わなくなってることが恐ろしいなって思います。

栃尾

基本、人間というものは、自分の経験したことしか信じられないものなんだろうなという気はしています。

安田

それは「人生で経験したこと」ってことですか?

栃尾

そうです。自分が経験したことが当たり前になっちゃうし、経験してないことは本当じゃない、みたいな感じがしてしまうってことですね。

安田

「愚者は経験に学ぶ」なんて言われますね。

栃尾

ああ、まさにそういう感じかもしれないです。

安田

反対に「賢者は歴史に学ぶ」と言われてますけど、人間が生まれてから経験してることなんて本当に断片的なことです。たとえば勉強も、私たちは数学を発明してやっているわけではない。何百年もかけて積み重ねられた英知の続きをやってるわけじゃないですか。

栃尾

はい。

金子

うんうん。

安田

「お金を稼ぐ、仕事をする、仕事を覚える」っていうことも同じです。昔からの長い間の積み重ねでいったら「そんなの教えてくれるわけないよな」っていう方向にたどり着くのが普通な気がするんですけどね。どうなんでしょう。

金子

ふぅーん。

安田

「じゃあ誰が教えるんだ?」っていう意見が出てくること自体がとっても不思議なんですよね。

栃尾

うーん。

安田

なんていうか、社会的にこの国の将来を憂いている人が「この国の将来のためにどうやって人を育てていこうか」って考えるんだったらいいんですけど、「基本的に、仕事は会社が教えるものだろう」っていう前提で、あまりにも多くの人がいきすぎというか。

栃尾

そういう考え方は若い人に多いんですか?それとも結構年いってる人に多いんですか?

安田

年配の方に多いですね。

金子

へぇ~。

栃尾

「昔はよかった」みたいな?

安田

「昔はよかった」っていうか、「雇用と育成は経営者の責任だし、それは会社の役割だろう」みたいに、かたくなに信じてる人が多いですね。

栃尾

経営者の方で、そういう考え方に縛られてるのがもったいないなって感じなんですかね。

安田

経営者の方もそうですし、会社員の人も「教えるのは当然会社の役割だよね」って思ってる人が多いと思いますね。

栃尾

雇われた人は「会社が教えてくれるのが当たり前でしょ」と思っているということですね。

安田

たとえば新卒の面接とかでも、「御社の研修制度はどのようなものがあるんでしょうか?」って聞いてくるじゃないですか。

栃尾

はは(笑)。たしかに。

安田

そういう質問することに違和感があんまりないっていうか、「当然育ててくれるんでしょ」っていう前提が、不思議だなっていうことですね。ただ、企業が冷たくなったとか、そういうことではなくて、企業ってもともと損得勘定で人を教えて育てただけなんで、給料を払いながら仕事を教えてでも元が取れるからやってただけであって、元が取れなくなったらやらなくなるよってことです。冷静にいまの社会情勢を観察すると「元が取れなくなってるから、これは企業が人を育てなくなるな」と思ってるんです。なので、みんなもそういう風に思って「自分でやらないといけない」って気づかないのかな、と思ってます。

栃尾

そしたら、いまも流れであるかもしれないですけど、新卒採用よりも即戦力の中途採用のほうが進んだりするんですかね。

安田

間違いないんじゃないですかね。

栃尾

ふーん。いまでも企業はやっぱり、新卒をとりがたってるっていうイメージがあります。

安田

僕はまったくそう思わないですけどね。

栃尾

あ、そんなことないんですね。

安田

経営者全員に聞いてみないとわかりませんけど。

栃尾

そうですね(笑)

安田

新卒を採用する理由がなくなってきてると思ってます。基本的に「教えやすい」とか「辞めない」っていうことが大きな魅力だったんですけど、結局辞めちゃうし。「新卒はいいよね」っていうふうに僕は世の中に広めてきた立場ですけど、やっぱりそれって世の中の状況によって変わるわけです。ちゃんと冷静に考えたほうがいいと思いますけどね。

栃尾

うんうん。

安田

……なんか、こんな中途半端なところで、あと30秒ぐらいですが、じゃあ、金子さんにまとめてもらいましょうか。

金子

なんで!?

栃尾

ぜひ(笑)

金子

相づちがかぶらないようにと思って、すげー頑張ってたのに。

栃尾

(笑)

金子

ちゃんと……お……えっ……えーと、そうですねえ、採用ぉ……新卒……卒業するまでに……あの、みんな新卒……というか、その、卒業するまでにちゃんと、あの……し……その、就職先の、あの、勉強をして、あのー、役立てるような、えーと、スキルを身につけておけば大丈夫だよ!ってことですか?

安田

はい。おまとめのほうがわかりにくくなってしまったんですが。

栃尾

(笑)

金子

(笑)

安田

「会社は人を育ててくれなくなるよ」ってことですね。

栃尾

そのメリットがなくなったってことですね。

安田

はい。社員を育てる時代は終わったということで。

栃尾

わかりました!

安田

ということで、以上です。ありがとうございました。

栃尾

ありがとうございました(笑)

金子

ありがとうございました。


*本ぺージは、2020年9月2日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから
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安田佳生
境目研究家

 

 

 

栃尾江美
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金子亜祐美
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