
つまり、頭はたしかにいいけど、ひとりだったらばケンカしても猿とかにすら勝てないし、武器をつくるとかいったって、まあ、せいぜい木の棒を何かでくくりつけるぐらいで、ジャングルの覇者には一人ではなかなかなれませんよ。人間がここまで人間社会を築いたいちばんの大きな要因は、やっぱり組織をつくり上げたことだと思っています。よくいわれるように、ひとりでは鉛筆1本つくれないんで。

で、アリとか蜂なんていうのは人間以上に無駄なことしないし、働かないアリとかもいるらしいですけど、それでも、やっぱり組織として、そういうアリがいる理由っていうのもちゃんとあるらしいんですね。非常時のための備えであったりとか。

だから、なんでいま人間が飛行機で空飛べるかっていうと、当時はたぶん、空を飛ぶなんていうことを考えてる人は、「そんなこと考えてる暇があったら稲刈りしろ」みたいなことだったと思うんですよ。そういう余計なことをやる人がいっぱいいるから、いまやパソコンがあり、インターネットがあり、いまの人間社会の文明とか科学っていうのは、役に立つか立たないかわからないようなことを研究したり、追求したり、好奇心をもったりした人がいるから、たぶんこうなったんだと思うんですね。まあ、これは私の仮説ですが。

ということでいくとですね、いまは、ところが会社というものができて、どんどん会社が大きくなっていくと、たとえばマクドナルドのハンバーガーのつくり方とかは、全部統一化されてるんですね。「タマネギは何個」とか「ケッチャップは何滴」とか決まってるわけですよ。そうすると、役割が減っていっちゃうんですね。つまり、大企業がさらに大きくなって、効率よくしていって無駄なことを排除していくと、役割の数が減っていくんですよ。

たぶん、最初に空を飛ぼうと思った人だって、「航空事業がこういうふうになる」とか、「輸送事業が将来的に大きくなる」なんていうことは考えてなかったわけですよ。ただ単に「空を飛んでみたい」と思っただけなんで。

それが最近の近代社会っていうのは、無駄をなくし、効率化を重視し、とにかく役に立つこと……だって、資格取るとかもそうじゃないですか。お金になるとか役に立つことには一生懸命みんな時間とかお金かけるけど、何の役にも立たないとか何のお金にもならないことに一生懸命やってると、「あんた何やってんの?」みたいなことになるわけですよ。
*本ぺージは、2021年5月12日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから
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