安田佳生でーす。すばらしいですね。

インディアンのことわざみたいですね。

インディアンのことわざで、「土地は先祖からもらったものじゃなくて、子孫から借りてるもの」みたいなのがあるらしいですよ。

「だから子孫にちゃんと、もらったときよりきれいにして返そうね」みたいな、「借りてるから」っていう。

ね。

……（笑）

でも、そういう気持ち大事ですよね、やっぱり、こうね、きれいにして、っていうね。

自分の体とかもそうですよね。

自分の体をできるだけきれいな形で返すというのがね。

大地。

まあ……大地かなあ、宇宙かな。

なんでしょうね、まあ、誰かが貸してくれてるみたいな。車とか他人に借りたら、結構きれいに使って返すじゃないですか。

あんな感じで自分の肉体を誰かに借りて。

車みたいなもんで、肉体がないと現実世界でいろいろ活動できないんで、お借りしてるわけですよ、誰かに。

と思ったら丁寧に使うじゃないですか、自分を。

僕、最近ね、2歳半の子どもを風呂に入れてて思うんですよ。

結構丁寧に洗うわけですよ。「俺、自分の体でもこんな丁寧に洗わないよな」っていう感じで（笑）

それで気づいたんですけど（笑）

で、今日はですね、「人生とはなんぞや」ということを話し合いたいんですが。

よく「人生はやったことの結果だ」とか言うじゃないですか。

あ、聞いたことない？

「自分がやってきたことの結果である」ってよく言われるんですけど、あれ、間違ってんじゃないのかなっていうね。

前回「見えない選択肢」ってお話ししましたけど、人生はやったことの結果じゃなくて、やらなかったことの結果じゃないかなって気がしてるんですね。

つまり人間はですね、「やったこと」と「やらなかったこと」がありますよね。

で、やったことが履歴書とかに書かれるわけですよ。

だから、「やってきたから俺がいまここにいる」って思いがちなんですけど、実はその何百倍・何千倍も、やらなかったことがあるわけですよね。

たとえば僕はサーフィンをやったことがないし、世の中には会社をつくったことがない人がいっぱいいるし、前回栃尾さんがおっしゃってたように、会社を辞めようと考えたことがない人とか、会社を辞めたことない人とかもいるわけで。

だから、「会社を辞めなかったから、いまの自分がある」とも言えるけど、辞めたらぜんぜんちがう人生になってたかもしれないわけなんで。

つまりですね、「やったこと」「やらなかったこと」があるでしょ、そして「考えたこと」「考えなかったこと」っていうのがあるんですね、人生に。

人間って、やったこととか考えたことの結果がいまに至ってると思いがちなんですけど、ちがうんじゃないかなと思ってですね。

実は、やらなかったことをやってたり、1回も考えたことないことを考えたりしたら、人生が劇的に変わってた可能性があるなと思って。

そうなんです。だから、やらなかったこと、考えなかったことっていうのが、人生をものすごく1か所に縛り付けてるっていうかね、つまり、考えたこと、やったことに縛り付けてるわけですよ。

むずかしい話になってきましたが。

やってないこと……そうですね、なんていうんでしょうねえ。

そうですね。

そうなんですよ。

まさに「見えない選択肢」っていうのは「やらなかったこと」であり、「考えてもいなかったこと」なわけですよね。

それが自分の人生とかいまのポジションとかを決めちゃってるわけで、「自分はなにをやってきたから、いまここにあるんだろうか？」ってよく考えがちなんですけど、「私はなにをやらなかったんだろうか？」とか「私はなにを考えてこなかったんだろうか？」っていう、それも無意識が決めるんですよ。

「やるまでもない」とか、「こんなことやってもしょうがない」とか、「こんなことは考えるまでもないね」ってことをぜんぶ考えてたら大変なんで。

そもそも知らないってこともあるし。

そうですね。

まあ、知ろうとしないから知らないってことだと思うんですけどね。

そうなんですよ。

カンセカイ？聞いたことありません。なんでしたっけ？

そうでしょうね。

固くもないんですけどね。

いや、なんていうんでしょう、「固い」っていう表現ではなく……

なんなんでしょうねえ。

そうなんですよね。ほんとは殻はないんだけど、その外側が見えないというか。

そうなんですよ。

だから、よく「人生を変えたい」とか言うじゃないですか。

そういうときに、自分が思いつくこととかをやっちゃうと、結果変わらないんじゃないのかなっていう気がしてて。

そうなんですよ。だから、自分が思いつかないこととかを思いつくというかですね、自分の想定外のことをやると劇的に人生変わるんじゃないかって気がして。だから、僕もよく、無理やりサーフィンに誘われたりするんですよ。「あなたは海から陸を見たことがない人だ」みたいなね、「いや、俺は船に乗ったことがあるぞ」って感じなんですけど（笑）

いや、でもね、サーフィンする人に言わすと、ぜんぜんちがうんですって。1人で板の上に乗って海から陸を見るという体験をしたことがある人と、したことがない人では、人生ちがうんだと。

たぶん、そういうのがいっぱいあるんですよ。

そういうのをやってみると意外なことに人生変わったり、見る目が変わったりとか、価値観が変わったりすることあるじゃないですか。

ね。それって、きっと想定外のところにあるんだろうなあと思って。

だから、どこに旅に出るかとか、誰と旅に出るかとか、旅に出る時点で自分の想像の範疇じゃだめなんだと思うんですよ。

いいですねぇ。

まさにそういう、ほんとに、なんていうんでしょう、不条理というか、まったく論理性のない行動というか、そういうのがすごく可能性を広げるんだろうなあという気がしている今日この頃です。

魅力的ですし、そういう経験があると。

やりませ…んけど（笑）

なんか、そういう、ほんと偶発的な出来事っていうかね、運命と呼ばれるものを自分で引き寄せる方法がそこにあるんじゃないのかなっていう気がしたわけですよ。

だから、なんかやりましょうよ、「日本海溝に潜る」みたいな。

「これをやってみたら人生変わるよ」みたいな？

なるほど。

いいかもしれないですね。

じゃあ、おまとめを先生。

はい。ということで、本日は以上です。ありがとうございました。