【読むPodcast | ゲリラマーケティング】「外食チェーンの社員として大活躍したい」2019年8月28日配信

第360回「外食チェーンの社員として大活躍したい」
というご質問。
良い秘策があるという安田。
でも、そもそも出る杭になることが許される職場なのでしょうか。
栃尾

こんにちは。安田佳生のゲリラマーケティング。ナビゲーターの栃尾江美です。

金子

朝読書・夜ゲームは、いつの間にか朝ゲーム・夜読書になってます。金子亜佑美です。

安田

安田佳生です。

栃尾

でも、読書続いてるんだ。

金子

読書はまあまあ続いてます。

栃尾

よいですね。

金子

ありがとうございまーす!

栃尾

今回はこんな質問をいただいております。飲食店勤務の方からです。第1回の放送からずっと聴いています。いつも楽しいポッドキャストをありがとうございます。単刀直入に質問させていただきたく思います。私は大手チェーンの飲食店で働かせてもらっています。チェーン店ですので、商品のラインナップ、味など、いい意味で同じクオリティが出せる、悪く言えばそこそこ、そういう形の営業になっています。なんとなく毎日同じことの繰り返しになってしまいがちです。接客面に力を入れたり、他店との差別化を図っていくことも考えたり実践したりしていますが、いまのところ大きく抜きん出る成績を店舗として残すことができていません。チェーン店の中で群を抜いてお客様に支持していただくお店をつくるのに、いちばん大切なことは何だとお考えでしょう?飲食に限ったことではないと思うのです。コンビニでも流行ってるコンビニ、流行ってないコンビニがあると思います。安田さん、栃尾さん、金子さんが考える、チェーン店で圧倒的に“出る杭”になる方法を教えていただきたいです。よろしくお願いします。ということです。

金子

杭!

安田

じゃあ、金子先生。

金子

「第1回の放送からずっと聴いてます」ってすごいなあと思ったのと、あと、この方は飲食店の中で何をされてる方なのかなと思ったんですけど。圧倒的に出る杭になる方法については、やってないことをやるってことですかね。

安田

やってないこと?

金子

やってないことをやる。

安田

「他店がやってないこと」ってことですか?

金子

誰もやってないことをその店舗でやるっていう。

栃尾

いまパチパチしてるけど(笑)

安田

いや、いいんじゃないですかね。

金子

はい。以上です。

栃尾

え~、難しい……次、私の番ですか?

安田

そうですね。順番からいくとね。

栃尾

難しくないですか?(笑)でも、自分が行くほうで考えるとすると、たとえば何だろうなあ……。同じチェーン店でも「ここに行きたいと思うかどうか」ってことですよね。

安田

そうですね。

栃尾

そうすると、やっぱ人かなあと思いますね。あとは、トイレがきれいとかも結構重要かもしれないなと思います。

安田

なるほど。

栃尾

もう1回行くときに、トイレとか、そういう細かいとこがきれいみたいなのは特に印象に残っているかなと。1回では残んないかもしれないけど、何回も行くと印象に残るかなと。あと、やっぱり知り合いの人がいて、名前っていうか顔を覚えてもらっていたりすると、また行きたいなあとか。特に子どもがいたりすると、かわいがってもらえると「あのおじさんいるから行こうよ」みたいに言いやすいなっていうのはあるかな。それぐらいしかわかんないですけど。

安田

いや、すばらしいと思います。そもそもチェーン店って、難しいんですけど、出る杭になっていいチェーン店と、なっちゃいけないチェーン店がありまして。

栃尾

ああ、「勝手なことするな」みたいな?

安田

はい。コンビニとかも、この方も「流行ってるコンビニと流行ってないコンビニがある」って言ってますけど、コンビニでたとえば勝手にカブトムシとか売ると怒られちゃうんですよ。

金子

たしかに。

安田

なので、流行ってるコンビニと流行ってないコンビニを、コンビニで元本部やってた人に聞いたことあるんですけど、一言で答えが返ってきました。「立地です」と。

金子

あ~。ですよねぇ。

安田

「以上!」って言われました。

栃尾

さみしい。

金子

たしかに。

安田

まあ、だから、チェーン店で、本当に他と違うことをやっていいのかどうかっていうのをまず考えたほうがいいと思うんですけど。そこが結構大事で、だいたいやっちゃいけないとこが多いんですね。でも、特殊なサービスとか、金子さんがおっしゃってたような、絶対他でやらないことができるといいんですけど、できないって考えると、ものすごいできることが限られてきて。となると、やっぱり栃尾さんのおっしゃるように、「人」になるなって感じが僕もしますね。

栃尾

でも、従業員の方が多かったりすると、全体的に人のクオリティを上げたりするのって結構難しかったりもしますよね。

安田

人のクオリティっていうかですね……まあ、これ、お店に限らず、会社でもたぶん今後こうなると僕が予想してるもんがあるんですけど、たとえばお寿司屋さんとか、ちょっと前までは有名店とかのお寿司を食べたいなっていう人、すごい多かったと思うんですけど、いま、どちらかというと、「どの店で食べた」っていうよりは「誰の握った寿司が食べたいか」っていうことが大事で。

金子

へぇ~。

栃尾

個人名になってるってことですか?

安田

そうなんですよね。

金子

へぇ~。

栃尾

へぇ~。

安田

有名店っていっぱい職人さんがいるんで、誰が握るかってわからないんですよ。

金子

美容室と一緒ですね!

安田

そうなんですよ。

金子

なるほど。

安田

だから、ひとりひとりの、「この人に握ってほしくて来た」みたいなお客さんを増やしていくしかないんですよね。だから、企業も企業のブランドで、誰が売っても売れるようなシステムをつくってるんですよ、ほとんどの会社。それが会社にとっての効率化なんですよ。だけども、それが通用しなくなってきてて。なので、今後は、僕の予想としてはですよ、たとえば営業マン30人抱える会社があるとするじゃないですか、そのときに、ひとりひとりが集客やる時代になるだろうなと思うんですよ。会社のブランドとか会社の集客力で来たお客さんを振っていくんじゃなくて、個人のブランドと集客力で集まってくる人を会社が使わせてもらうっていう。だから、それでいくと、チェーン店っていうよりは、ひとりひとりにお客さんつけることですよね、やっぱり。

栃尾

なるほど。

安田

ひとりひとりが、自分がWebの中での自分ブランドをつくり、「この人のお店行って、この人のつくるもの食べたい」とか、「この人の接客を受けてみたい」とか、「この人に会いたい」とか、それをやるしかないなって感じがしますね。ただ、それをやっていいのかどうかっていうね。

栃尾

そうですね。

金子

カリスマ店員ですね。

安田

「店員」を超えちゃう感じですね。

金子

カリスマ……

安田

カリスマ人間?

栃尾

(笑)

安田

旅行代理店でもたまにいらっしゃるんですよ。指名で、他のツアーとぜんぜん違って、勝手にカラオケ歌ったりとかする添乗員さんがいて、でも、その人がいるだけで売上すごい上がるんで、その人にだけ特別枠を設けてて、その人だけは好きなことをやっていいってなってるんですけど、今後そういう人がたぶんすごい増えていくと思うんですよね。

金子

すごい。

栃尾

書店員さんでも、そういう人いるって聞いたことあります。

安田

そうですね。

栃尾

ファンレターもらったりとか、雑誌にコラムを書いたりとか。

金子

なんかラーメン屋さんでもありますよね。切るときに「アァ~ィッ!」っていうのが面白いっていって、その人、ラジオとか、あとはテレビとかに引っ張りだこみたいで、地元の。

栃尾

へぇ~。

安田

でも、本当にそういうふうになると、その人にお客さんがついてるんで、言ったら同じ外食のウエイターさんとかウエイトレスとか料理人でも収入増えると思うんですよね。だって、その人を雇えばお客さんついてくるんで。だから、ひとりひとりが、ここの社員さんっていう、いまはそういう立場かもしれませんが、それを捨てちゃって、フリーランスのつもりで「自分ブランド」をWebの中につくるっていうのがいちばんいいんじゃないですかね。

金子

あ~面白い、でも、そのほうが。

栃尾

それを従業員の人に勧めていくっていうことですかね。

安田

勧めるというか、まあ、ひとりひとりがそれをやりたいと思わないとだめでしょうけどね。

栃尾

ね。思わせるのがすごい大変そうだなと思いました。

安田

まずはこの人がやればいいんじゃないですかね。この方がまず、「このチェーン店じゃなくても、どこに行こうと、あなたが行った店に私はついていきます」ぐらいな感じのブランドをつくると。そのためには何が必要なんだろうかってことを考える、ってことがすごい大事だと思いますね。ホント、だから、添乗員さんは有名な人でね、屋久島に年に何回か来るっていう方、教えてもらったんですけど、その人が行きたいところに自分で計画立てて、「その人が言うんだったら絶対ついていく」っていうファンが一定数いるんですよね。

栃尾

すごい(笑)お客さんが自分が行きたいところは度外視して、ってことですか?

安田

度外視して。

金子

マジっすか。

栃尾

すごい(笑)

安田

だから、その人、自分が行きたいとこ行って、自分が好きなお店でご飯食べてるだけで、全部お客さんが料金払ってくれるんですよ。

栃尾

あ~すごい。

金子

すごい(笑)

安田

でも、その人と一緒に行くと楽しいらしいんですよね、どこ行っても。

栃尾

ふーん。

金子

あ~、なるほど。

安田

だから、「どこ行くか」じゃなくて「誰と行くか」ってなったとき、「この人と行きたい」っていうポジションをとってるわけですよ。

金子

なるほど。

栃尾

添乗員じゃなくて、ホントに「ファンとの集い」みたいな感じですね(笑)

金子

ね。

安田

そうそう。だから、ホントね、いかにファンをつくるかっていうのは、飲食店に限らず、人生の中でいちばん重要なことになるんで、この方はまずファンつくるのがいいと思いますね。「Myファン」をつくってください。

栃尾

うんうん。

金子

おもしろ~い。

安田

ということで、おまとめを10秒で。

金子

お願いします(笑)

栃尾

お店に力を入れるより個人に力を入れて、ファンをたくさんつくりましょう。

安田

はい。完璧です。

栃尾

ありがとうございます(笑)

金子

すばらしい!

安田

はい。じゃあ、ありがとうございました。

栃尾

ありがとうございました。

金子

ありがとうございました。


*本ぺージは、2019年8月28日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから


ポッドキャスト番組「安田佳生のゲリラマーケティング」は毎週水曜日配信中。

安田佳生
境目研究家

 

 

 

栃尾江美
emitochio.net

 

 

 

金子亜祐美
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